2015_10
01
(Thu)20:58

渡さない


こんばんは。
あさ、です。

立て続けにトラブルに見舞われましたが、主人と互いの薄情さを笑い合いつつ、今後の方針を決定。
落ち着きました。

気力体力をごそっと持っていかれましたので、リハビリにSSをひとつ。
皆様のお暇つぶしになれば幸いです。



【設定 色々ネタバレ】
《渡さない》


夕鈴が好きな、湖畔の四阿。
キラキラと眩い水面から心地よい風が吹いて。

「うーん、いい気持ち!」

久し振りの二人きりの散策に夕鈴の表情が寛ぐ。

「夕鈴、楽しい?」
「はい!」

にこっと微笑む夕鈴。
ああ、可愛いな。
僕のお嫁さんはどうしてこんなに可愛いんだろう。

「あら、こんにちは小鳥さん。」

時々餌付けをしているのだろう。
夕鈴の姿を認めた小鳥たちが集まって来た。
ちちちっ、と鳴く彼らを見つめる夕鈴の目は優しげだ。

「ふふっ、可愛い。」

僕の方が可愛いよ、夕鈴。

「あら?あなたちょっと怪我をしてなあい?」

僕だって寝台の角に足の小指をぶつけたんだよ、夕鈴。

「大変、陛下この子、足がっ!」

僕の足だって大変……な、はずだよ、たぶん。

「聞いてますか、陛下っ。」
「う、うん。」
「この子、足を怪我してるんです。後宮に連れ帰って手当をしてもいいですか?」

僕の手当ては?
せっかくの二人きりの時間なのに。
夕鈴は僕よりも小鳥の方が大事?

無言の僕を不安げな茶色の瞳が覗き込む。

「怪我をした小鳥を連れ帰るなんて、妃らしくない、ですか?」

じいっ、と。
真剣な顔で夕鈴が僕を僕だけを見つめてくれる。
幸せだ。

「ね、陛下。お願い。」

湖面よりも美しく潤む大きな瞳。
乳白の頬に朱がさして。

「――――だめ?」

ことん、と。
何とも愛らしい仕草で首が傾げられる。

ああ、もう。
こんなに可愛いなんて、反則だ。

「小鳥に夢中になって僕の事をほっといたりしないなら、いいよ。」
「もちろんです、ありがとうございます陛下!」
「約束ね。」
「はいっ。」

ぱあっ、と笑った夕鈴を抱き締めようと手を伸ばしたら。

「では、老師に診てもらいますね。」

するりと逃げられ、空を掴んだ。

「陛下はゆっくり戻ってらして下さ――――きゃっ!」
「ほら、約束。もう忘れたの?」

むっとした僕の実力行使。
そんなに鳥が気に入ったなら、それごと君を手に入れるまでだ。

「悪いけど、もう逃がすつもりなんてないから。」
「え?」

小鳥を両手で包む夕鈴を抱き上げて。
僕は足早に後宮に向かう。

「早く手当てしてあげよう。」
「はい、やっぱり陛下は優しいですね!」

そのまま勘違いしていてね、夕鈴。
早く手当てを終わらせて、僕だけを見つめてね。

ちちっ、と敵…じゃなくて小鳥が鳴く。

「大丈夫よ、もう少しだからね。」

勘違いするなよ、鳥。
夕鈴はお前なんかより私の方を愛しているのだ。

「ちいっ。」
「あら、大丈夫?痛いの?」
「急ごう。」

お前なんぞに夕鈴はやらんからなっ。

「ありがとうございます陛下、大好き!」

絶対、絶対。
渡さないっ。


C.O.M.M.E.N.T

陛下ったら鳥にまで敵対をするなんて…笑
足の方、手当てしてもらえるといいですねっ!
ほんわかした夫婦の様子のお話
素敵ですねぇ!
読んでいて癒されました(^^)♪

2015/10/01 (Thu) 21:53 | 理桜 #- | URL | 編集 | 返信

あははっ(≧▽≦)ヘーカ必死過ぎww

鳥と同レベルで張り合うとか…( ´艸`)

やっぱり、あさ様宅の陛下は心が狭くて幼くてかわいいなぁ~( ̄∇ ̄) 羨ましいの…。

2015/10/02 (Fri) 11:44 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

理桜さまへ

焼きもちを妬く本誌の陛下が可愛くて、書いてみたかったんです。
楽しんで頂けて嬉しいです!

2015/10/02 (Fri) 17:18 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

行さまへ

あ、黒い方だ。(笑)

ヤキモチ陛下でございました。

あとでお願いに伺います。←なにを

2015/10/02 (Fri) 17:20 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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