2015_09
08
(Tue)23:28

向日葵の休暇

こんばんは。

こちらのSSは、ダリ子様(「しっぽの先から」様)の瑞々しくも色っぽい作品に蛇足的に書かせて頂いたものです。
いつもお世話になっております宇佐美様(「月の砂へ」様)への誕生日プレゼント。
去りゆく夏を惜しみつつ、書かせて頂きました。

うささん、お誕生日おめでとうございまーす!




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【設定 本誌ネタバレ】
《向日葵の休暇》


まだ強い日差しが残る季節。
なんとか半日だけの休暇をもぎ取った黎翔は、お妃教育で忙しい夕鈴を半ば拉致するようにしてここに連れてきた。

「せっかく蘭瑶様が詩を教えて下さる予定だったのに!」
「そんなのまた呼べばいいよ。それより…ほらっ。」

浩大が御者台に座る馬車が、緩やかに停まる。
悪戯っ子のような顔をした黎翔は、一気に扉を開け放った。

「う、わあ……っ!」

視界を埋め尽くす、黄金色。
夕鈴は言葉を失った。

「すご、い…すごいです、陛下っ!」
「夕鈴、走ると危ないよ!」

黎翔が止めるもの聞かず、兎は素早く走り出す。

「陛下、陛下、こっちこっち!」
「夕鈴、そんなに急ぐと転ぶよっ。」

どこまでも続く、向日葵畑。
去りゆく夏を惜しむがごとく咲き誇る大輪の花は、みな一様に天を仰ぎ。
太陽と同じ色の花弁に包まれて、夕鈴は思い切り笑った。

「ありがとうございます、陛下!とーっても綺麗!」
「どういたしまして。」
「もう少し奥まで行ってもいいですか?」
「うん、いいよ。足元に気を付けてね。」
「はいっ。」

裾を持ち上げて軽やかに走る兎。
ちらりとのぞく足首の眩しさに目を細めた黎翔に、浩大が声を投げた。

「よかったじゃん、陛下。」
「ああ。」
「ここの所ずーっと勉強ばっかだったからなあ、お妃ちゃん。」
「…少しは気晴らしになるといいのだが。」

背の高い花を掻き分けるようにして進む後ろ姿を眼で追う。
あらかじめ道を作ってあるから心配はいらないのだが、危なっかしいことこの上ない。

「ちょっと、行ってくる。」
「はいよ。」

兎の足跡を辿る、狼。
浩大はひらひらと手を振ってその後姿を見送った。

「ごゆっくり、お二人さん。」



迷路のように作られた小道。
思いのほか足の速い兎は、遥か彼方に行ってしまったようだ。

「さすが、夕鈴。」

苦笑して。
黎翔は身を屈め、歩を早めた。
せっかくの向日葵を楽しむなら、夕鈴と一緒がいい。
葉や茎を掻き分けるようにして進む黎翔の勢いは常人のものではなかったが、獲物を狙う狼の速度としては相応しいもので。

「見つけた。」
「きゃあっ!」

うっとりと花畑に見惚れていた兎を、あっという間に手中にする。

「びっくりした?」
「あはは、もう、いきなり抱き上げないで下さい。」
「…楽しい?夕鈴。」
「はいっ。」
「よかった。」

向日葵に負けない笑顔を見せた夕鈴の唇がそっと黎翔の耳に寄せられる。

「あの、陛下。」
「ん、なあに?」
「向日葵、少し頂いてもいいですか?だめ?」

愛しい妻の可愛い願い。
叶えぬ夫などいるはずもない。

「全部後宮に植え替えるっ!」
「二、三本でいいですっ!!」

キラキラと輝く向日葵畑。
黄金色の海原に、二人の笑顔がくるくる回る。

「じゃあ、どの花にする?」
「えっと、これと、これと…。」
「もっと大きい花にすればいいのに。」
「お部屋に飾るんですからこれくらいがいいんです。私、頑張って活けますから!」
「楽しみだなあ。じゃあ今夜、一緒に見ようね。」
「はい!」

無邪気に頷く無垢な花嫁。
狼は胸に浮かんだ謀を小犬の笑顔に隠す。

夜の灯火に浮かび上がる向日葵。
恋しい男を追い続ける花には、気の毒だが。
見せつけてやるとしよう――――。

C.O.M.M.E.N.T

うわー(>_<)
皆様お目汚し(絵)すみませんっ
でもこんな素敵なお話つけて頂いてたぶんうささんよりも喜んでました私がすみませんっっ
うささん、誕生日おめでとうでしたー!(何回目w
あささん、本当にありがとうございましたぁぁぁぁ

2015/09/09 (Wed) 00:18 | ダリ子 #- | URL | 編集 | 返信

わーい(*^▽^*)
有り難うございます♪
もう何度でも言うよ~♪有り難う!
お二人共~\(^o^)/
もうもう!狼さんが現れましてよ(///ω///)♪
兎をどう見せつけるのやらふふふ♪

2015/09/09 (Wed) 00:30 | 宇佐美 #- | URL | 編集 | 返信

ダリ子さまへ

この度はありがとうございました。
ダリ子さんの夕鈴は水気たっぷりでおいしそ(自粛)

うささん、お誕生日おめでとうございました。←遅い

2015/09/10 (Thu) 21:32 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

宇佐美さまへ

蛇足駄文ですが、喜んで頂けて嬉しゅうございます。

見せつけ方は、あれですよあれ。

2015/09/10 (Thu) 21:33 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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