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2013_03
19
(Tue)19:50

薬効①

見切り発車のお話しです。

まだラストがどうなるのか、決まっておりません・・・(おい)

さあ、風邪薬で朦朧とした脳みそで、どこまで書けるか。


今日は、温かくして早めにやすみます。




【設定・原作沿い・臨時花嫁】

*夕鈴が少し痛い思いをします。


《薬効①》



「気をつけていたのに・・・。」

昨日から感じていた喉の違和感。

悪化させないように、と、塩を入れたお水で嗽をさせてもらい、昨晩は温かくして早くやすんだのに。

今朝起きてみると、喉の「違和感」は「痛み」へと、順調に悪化していた。

「毎年この季節は弱いのよね・・・」

冬から春へと三寒四温を繰り返す、この季節が夕鈴は苦手だった。

微妙に乾燥した強い風が吹き荒れ、肌も髪もがさがさになるし、何より家中が砂埃でざらつく気がしてならない。

毎朝の拭き掃除を念入りに仕上げても、昼過ぎには元の木阿弥。

徒労感に苛まれつつも、臨時妃になる前の夕鈴は、毎朝しっかりと家中を磨き上げたものだった。


「実家に比べたら、後宮は手入れも行き届いて、快適なはずなのに。風邪を引くなんて、気合が足りないのかしら。・・・・とりあえず、早く治さないと!!」

夕鈴は寝台から降りるとすぐに嗽をし、少し喉の痛みが治まったのを確認してほっと胸を撫で下ろした。

「・・・大丈夫。たいした事なさそうだわ。」

ちょうどその時、朝の仕度のために侍女たちが入室してきた。

「お妃様、おはようございます。今朝もご機嫌麗しく・・・・」

「おはようございます。今日も宜しくお願いしますね。」

夕鈴は自分の声が掠れていないことに安堵しつつ、侍女達に朝の挨拶をした。






夕鈴はいつも通り朝餉を終え、今日の予定を確認する。

(・・・ちょっと、汁物が喉にしみたかな・・・)

少しそんなことを考えながら、李順が本日の『妃』の予定を説明するのを、夕鈴は真面目に聞く。

「・・・承知いたしました。それでは、後ほど政務室へ参ります・・・」

妃らしく優雅に微笑み返答する夕鈴の姿を、李順は満足げに眺め、退室していった。


____しばらくして。

政務室へ赴く仕度をしてくれていた侍女が、ふと思いついたように夕鈴に提案した。

「お妃様、本日は陽気は宜しいのですが、少々風が強うございます。御髪をおまとめになられたほうが宜しいのでは、と・・・」

言われて、夕鈴が窓の外を見ると、なるほど、確かに風が強いようだ。

「・・・そうですね、回廊は風が通りますから・・・では、お願いします。」

「はい、失礼致します・・・」

滅多に髪型を変えさせてくれない妃が、珍しく了承したことに侍女たちは気を良くし、あれこれと相談しあいながら嬉々として夕鈴の項の髪をあげ始め。

日ごろ欲求不満の彼女達は、あれよあれよという間に、妃の衣装まで替えさせることに成功したのだった________




(・・・・・さ、寒いかも・・・・)

後宮から王宮へと続く回廊を渡り、李順に日ごろからみっちりと仕込まれている通りの、優雅な「お妃歩き」を披露しながら、夕鈴は後悔することしきりだった。

まだ少し肌寒い風が、夕鈴に容赦なく吹きつけ、着慣れない薄い絹の服を浚う。
侍女たちの手によって上品に纏め上げられた髪は、強風にも動じないかわりに、夕鈴の首まわりには遠慮なく風がまとわり付く。

政務室へ付く頃には、夕鈴ははっきりと風邪の悪化を自覚していた。

背筋がゾクゾクする。
耳鳴りがして、頭がキーンとする。
立ち居振舞いが億劫で、背筋を伸ばして座るのすら辛い。

(・・・・これは、だめだわ・・・)

敗北を悟った夕鈴は、休憩に入るタイミングで、陛下へ後宮へ下がる許しを得、そのまま老師の下へ渡った。


「少し、こちらのお部屋で待っていて下さいね?」

いつもなら、老師の部屋の外で侍女たちを待たすが、今日は風が強く、彼女達を吹きさらしの中待たすのは忍びないと、夕鈴は隣室で待つよう、侍女たちに告げた。

「はい、ありがとうございます。」

侍女たちも、妃の優しい気遣いに感謝し、そのまま隣室で主の帰りを待つことにした。



「老師、お願いがあるんですが・・・」

突然の妃の訪問に、老師は驚いた表情で答えた。

「なんじゃ、今日は来る予定ではなかったじゃろう?どうした?」

何事かを書き記していた手を休め、ぴょんっと椅子から降りる老師を、

(老師もちゃんとお仕事なさるのね・・・)

などと、失礼なことを考えながら、ぼうっとした瞳で夕鈴は眺めていた。

「・・・・ほれ、どうした?・・・うむ。風邪じゃの。」

夕鈴の呆けた様子を見た老師は、夕鈴を椅子に座らせ、たくさんの棚から薬材を取り出してゴリゴリと薬研でつぶし始めた。

「・・・咽喉の痛みから来る発熱と、耳鳴りと頭痛____典型的な風邪じゃの。」

椅子に座るのも辛い、と夕鈴が感じ始めた頃。

老師特製の薬湯がようやく完成し、夕鈴はその苦さに半泣きになりながらもどうにか飲み干した。

「まったく、おぬしは。・・・少しでも体調に違和感を感じたら、すぐに侍医を呼ぶのが常識じゃ!いらぬ我慢をしおって・・・」

「・・・うぐっ・・・にがっ・・・ごめんなさい・・・」

どうやったらこんな味になるのかしら、と夕鈴が真剣に悩みたくなるほどに不味い薬湯を、

「日に三度飲むのじゃ!」

と言い置いて、急いでいたらしい老師は、部屋を出て行った。


「・・・・う。一日に三回も・・・・。うん、早く治そう。」

取り残された夕鈴は、激しく後悔しながら、隣室で自分を待っているはずの侍女たちの下へ歩き出したが。

(さっきより、熱が上がったのかしら。雲の上を歩いているような・・・)

自分の足を目で確認しながらでないと歩けない。

(ええと・・・右足、左足・・・あと、もう、少し。)

壁に手をつき、よろよろと歩く夕鈴は、まったく気付かなかった。


________風が、止んだ。

と思ったときにはすでに遅く。

夕鈴は背後から口を塞がれ、胴を浚われて横抱きに抱え込まれ。

ただでさえ意識が朦朧としていた夕鈴は、悲鳴すら上げることも叶わず、そのまま連れ去られた。



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