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2013_03
18
(Mon)21:51

開錠

「鍵」の続きです!

「鍵」はこちら


《開錠》


朝っぱらから、この人は何を言っているんだろう。

夕鈴は、混乱してよく回らぬ頭で、必死に考える。

・・・・借金がなくなった。

それはわかる。

・・・バイトを募集する。

そうよね、いつまでも同じ妃じゃ都合が悪いわよね。

・・・・続けてくれるかな?

何を?まさか臨時妃を?

・・・「ずーっと」?「本物の正妃」??


陛下、貴方はいったい何を仰っていらっしゃるのでしょうか_______?



嬉しそうに笑い声を上げて、陛下は私を抱いたまま庭園を進む。

陛下の、匂い。

陛下の、ぬくもり。

・・・・借金がなくなったら、私はもう用済み。

夕鈴の目から、大粒の涙がぼろぼろ零れ落ち、黎翔の衣服を濡らす。

掌で押さえても押さえきれない嗚咽が漏れる。

そして、震え始めた夕鈴に気付いた黎翔の笑い声が、やんだ。



「・・・夕鈴。泣かないで。」

困ったような顔で、黎翔が夕鈴の顔を覗き込んだ。

「ご、ごめんなさい!・・・・ひっく・・・陛下ともお別れかと思うと、か、悲しくて・・・ひっく・・・」

苦笑した黎翔は、柔らかい下草に、夕鈴を抱いたまま座り込んだ。

「ねぇ、夕鈴。」

「は、はい・・・っく、へいか」

まだ嗚咽が止まない夕鈴は、必死に呼吸を整えようとするが、涙が止まらない。

「あのさ、夕鈴。突然のことで、君が混乱するのは良くわかるんだけど、落ち着いて、もう一度聞いてくれる?」

「・・・・ひっく・・・は、い!」

夕鈴の健気な返事に、黎翔は笑みを浮かべ、ゆっくりと話し出した。

「借金は、もうないんだ。だから、君が『帰りたい』と願えば、下町へ帰れる。」

「は、い。」
夕鈴の胸がズキンと痛んだ。

止まりかけた涙がまた溢れそうで、ぎゅっと目を閉じる。

「でもね、夕鈴。僕は君を手放したくないんだ。」

「ま、まだ、バイトが必要、ってこと、ですか?」

歯を食い縛って、夕鈴は問う。

「________違う。バイトはもう必要ないんだ。」

「では、私は」

開きかけた夕鈴の口を、黎翔の掌が優しく覆い、目線が合わされる。

「君に、僕の正妃になってもらいたい。」

大きく目を見開いた夕鈴が落ち着くのを待ち、黎翔はゆっくりと言葉を紡ぐ。

「驚くのも無理はない。だが、これは演技ではなく、僕の願いだ。・・・ずっと、鍵を掛けてしまっておいた、僕の『願い』。」

そっと黎翔の手が夕鈴の口から外される。

「君を傷つけたくなくて、ずっと言えなかった僕の『願い』。・・・君を正妃に迎えたい。」

驚きに固まった夕鈴の目から、一筋の涙が頬を伝う。

「敵は多いし、刺客も止む事はない。昼夜問わず仕事漬け。そんなどうしようもない嫁ぎ先だけど・・・私の所に来てくれないか?」

夕鈴の目に浮かぶ、戸惑いの色に気付いた黎翔は、朗らかに笑いながら告げる。

「・・・・ああ、返事は『是』しか受け付けないぞ?」

「なんですかそれっ!!」

思わず叫び返した夕鈴を、黎翔は強く抱きしめた。

「うん、やっぱり君しかいらないよ。」

「もうっ!誰もいないのに演技はやめてください!」

真っ赤になって暴れる夕鈴を、黎翔はますます深く抱きしめる。

「だから演技じゃないって、いつになったらわかってくれるの?」

「・・・・・もうっ!!」

いつまでも止むことのない温かな抱擁に、夕鈴もまた、笑い声を上げた始めた・・・。 .
薬効①   
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C.O.M.M.E.N.T

見つけた♡リンクきれ

2015/09/01 (Tue) 23:51 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

行さまへ

ありがとうございますー!
なおしたっ!

2015/09/02 (Wed) 06:51 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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