2015_06
11
(Thu)15:20

お妃様のお引越し3

蒸し暑い、です。

お引越し。
今の住まいに越してきた日は台風でした。
あの時は広く感じたこの家が今では手狭に感じる不思議。
真っ白だったこのブログもえらい記事数になってます。
SSが幾つあるのかなんて、もう恥ずかしくて数えられない!

思いのほか好評なこのSS。(笑)
コメントありがとうございます、嬉しいです!
お返事はもう少しだけお待ち下さいませ。
ちび陛下と次女が帰宅したもので、おやつタイムなんです。

それでは、また!
【設定 未来夫婦】
《お妃様のお引越し 3》


「……後宮に、入れてもらえない。」

ごつんっ!
ひときわ大きな音がして、黎翔の動きが止まる。

「浩大を通じて手紙を渡すとかその場にいたものに証言してもらうとか、いくらでも打つ手はあるでしょう?」
「僕に命じられてそう言ってる、って夕鈴は思うに決まってる。それで今度は卑怯者って言われるんだ。」
「まあ、そうかもしれませんね。」
「僕、どうしたらいいかなぁ。」

ごろん、と顔をこちらに向けた黎翔。
血が滲んだその額には憐憫の情を禁じ得ないが、どうもこうもない。
そんな事で政務を滞らせるなど、論外だ。

「妃が王を締め出すなどもっての外。投獄しましょうか?」
「え?」
「王に無礼を働いた妃の処分についてご相談申し上げているのです。」

真っ白な紙の上に李順の筆が走る。
さらさらと澱みなくしたためられた、それは。

「ちょ、李順っ?!」
「法に照らせばそうなります。陛下、御裁可を。」

夕鈴への、三行半。
いつも通りの表情で黎翔の前にそれを置いて、李順は目線で書簡の山を示した。

「陛下が躊躇われるのでしたら、老師の権限で妃を牢に、」
「貴様、正気か。」

ゆらりと起き上がった黎翔の手には剣。
ちゃきっ、と硬質な音がして。
その切っ先が李順に向けられる。

「――――何があっても手放されるおつもりはないのでしょう?」
「当たり前だ。」
「でしたらっ!謝り倒すしかないでしょう!」
「で、でもっ。」
「いいから行って下さいっ!このまま幾日も政務が滞るのは御免です!」

李順に背を押されて。
黎翔はとぼとぼと後宮に向かった。




「老師、お願いがあります。」
「お妃っ!陛下を追い出したとはまことかっ!」

気まずげに横を向く夕鈴に、張元は渋面を作る。

「まったく、何を考えておるのじゃ。ここは後宮、王のための花園じゃぞ?花が主を追いだすとは何事じゃ。」
「だ、だって……。」
「側妃の一人や二人や三人や四人や五人や」
「多いです老師。」
「騒ぐほどの事でもないぞ?」
「っ……わかって、ます。」
「本当か?」
「え?」

ふいに低くなる、張元の声。
夕鈴はどこか人ごとのようにその声を聞く。

「おぬしは、ただの側妃じゃ。下っ端妃はの、新しい寵妃が入宮する際には身を引いて居を移すのが習い。」
「身を――――引く?」
「陛下は件の舞姫に口付けなさったのじゃな?」
「は、い。」
「見たのか?」
「ちゃんとは見てませんけど、きっと、そうです。」
「おぬしがそう信じるのなら……ほれこの通り、後宮は広い。優秀な掃除婦のおかげでどの部屋もピカピカじゃからの、好きな部屋に越すがよいぞ?」
「引っ越す?」
「そうじゃ。おぬしの部屋は陛下のお部屋のすぐ隣。寵を喪った妃はその場所を新しい寵妃に譲るのがしきたりじゃ。」

部屋を譲る。
身を引くって、そういう事?
私が暮らしていた部屋に新しいお妃様が住まわれて、陛下がそこに通う。
私……わたし、は。

「ほれ、どの部屋にする?」

明るく言い放つ張元。
夕鈴はぼんやりとした頭で、答えた。

「一番遠いお部屋に……します。」
「遠い、か。」
「はい。今のお部屋から出来るだけ遠く。」

わかった。
短く答えた張元は、早速動き出し。

背を丸めた黎翔が夕鈴の部屋を訪った時には、もう。

「ゆう……りん?」

彼女の痕跡は、どこにも見当たらなかった。

「――――どこだ。」

狼の呻き声が、低く、低く。

「夕鈴。」

響き渡る。

「どこだ。」

――――逃がさん。

蒼白になった狼の、兎狩りが始まった。

C.O.M.M.E.N.T

れ?あれ?あれ??
一番のり?
やったーっ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
老師もわかってていぢわるー♥
りじゅんさんも、投獄なんていぢわるー♥
でも周りから見てると意地悪したくなるなあ(≧∇≦)
あれ、二人でグル?
そういえば夕鈴は何を老師にお願いしたかったんだろ?
続き、楽しみです

2015/06/11 (Thu) 15:53 | ちづるん #- | URL | 編集 | 返信

なんて楽しい陛下。
李順さんも老師も・・・策士ですね。
いやぁ楽しくって。ず~っと謝り続けていただいてもよろしくてよ(笑)。
しかし、勘違いの夕鈴さんにも相応のお仕置きは必要ですわね。

2015/06/11 (Thu) 16:13 | ますたぬ #XTEfMpaM | URL | 編集 | 返信

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2015/06/11 (Thu) 16:19 | # | | 編集 | 返信

いいなぁ…

おやつタイム!!←ソッチカ(笑)お腹空いたな~って思っております(・_・、)健康診断間近の私には、禁断のおやつタイム(爆)。
さぁ!狼さんの兎狩が始まりますね!!老師や李順さんに後押し!?されたご夫婦のその後を…。
正座は出来ないので(膝が悪いんで(爆))体育座りで待ってていいですか(*^▽^*)

2015/06/11 (Thu) 16:36 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

あぁ……………( ̄▽ ̄;)ヘーカ…プッツン?
ホント夕鈴は最後まで確認しないんだから。
夕鈴の性格上しかたないのかもしれないけど、本物夫婦なんだから、きちんと確認することを覚えましょう?
………そして怖い狼の兎狩りが始まる……((((;゜Д゜)))ガクブル

2015/06/11 (Thu) 18:36 | 桃月 #- | URL | 編集 | 返信

ちづるん様へ

一番コメありがとうございます!
犬も食わない夫婦喧嘩。
周りの方々も食べ飽きたみたいで…。(笑)
夕鈴の「お願い」。
ちょっと叶えてあげたい気もします。
飾りたいっ。

2015/06/12 (Fri) 10:43 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

謝る陛下、お好きですか?
なんだかちょっと可愛いですよね!
夕鈴の誤解も解け、今頃二人は檻のなかです。←
レスが遅くて申し訳ありませんでした。

2015/06/12 (Fri) 10:45 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

くみ様へ

あああっ!!
かぐや姫っ。
くみ様、まさか「春の庭」お持ちですか?
もしお持ちでしたらあの最後のお話はなかったことにして下さいっ。
勢いで、つい!勢いでーーー!!

2015/06/12 (Fri) 10:46 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

行さまへ

お団子をそれぞれ二串ずつ、美味しそうに食べてました。
もちろん私の分はありません。
なぜだ。
体育座りも疲れちゃいますから、どうぞお好きな物をご覧になりながらお寛ぎ下さいませ。
SSの数だけはアホほどありますので。(笑)

2015/06/12 (Fri) 10:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

桃月さまへ

はい。ぷつっと行きました。
書きながら「あーあ、キレちゃった…。」とため息が出ましたよ。(笑)
兎狩り。
良い響きですよね。
なんていうか、こう。
萌え滾ります。

2015/06/12 (Fri) 10:50 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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2015/06/13 (Sat) 20:46 | # | | 編集 | 返信

くみ様へ

うわああ、やっぱり。
やはりお持ちでしたか!
あれは勢いで!つい!
久々に健全オンリーを書いたら反動がすごくて!
紅珠風コメント、楽しませて頂きました(笑)

2015/06/17 (Wed) 09:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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