2015_05
14
(Thu)18:51

記憶の香り

こんばんは。
あさ、です。
ご心配お掛けしてごめんなさい。

さて。
今私は二つの書き物を抱えております。
一朝一夕に終わる内容ではないのでマイペースに書いておりますが、自分的な締め切りは決めてます。
ですので、あまりゆっくりし過ぎてはいけません。
煮詰まってきたりもします。
そうなると、俄然息抜きをしたくなります。
SS書いて煮詰まって息抜きにSSを書く。
・・・・・・。
我ながらどうなんだろうと思います。

と言う訳で、息抜きSSです。
なぜか突然時を遡ったSSです。
コミックス派の方にとっては、ネタバレ注意です。
お気をつけてお進み下さいませ。

ちょっと時間がないので誤字脱字など見つけ次第後ほど修正致します。
ではでは!
【原作沿い コミックス派の方ネタバレ注意】
《記憶の香り》


「ああ……。」

――――疲れた。

ぐったりと長椅子に身を預ける。
寒い。

『お帰りなさいませ、陛下。』

目を瞑ると聞こえる、君の声。
しんと静まり返った居室に、記憶が気配を描き出す。

――――ただいま、夕鈴。

『お疲れですね、陛下。甘いお菓子でも召し上がりますか?』

冷え切った空気の中に漂う、香気。

『どうぞ。熱いですから気を付けて下さいね。』

小首を傾げて茶杯を渡す君。
さらりと揺れる髪から漂う、湯上りの湿った香り。
甘くて優しい、君自身の香。

記憶とは、便利なものだ。
いついかなる時でも君を感じて、君を愛せる。

「ありがとう、夕……」

目を開けた途端に、ふっ、と消える、気配。
伸ばした手が滑稽に空を掴んだ。

夕鈴、夕鈴。

寒いんだ。
君がいないと、ここはまるで冬の様だ。
君に出会う前の僕はどうやってこの孤独を耐えていたんだろう。
いや、きっと。
孤独であることすら、感じていなかったのかもしれない。
寒さに心が凍っていたのかもしれない。

忘れてしまえ、と。
そう言ったのは、僕。
今ならまだ間に合うと思ったから。
君を手離して、君を解き放って、君を幸せにできると、思ったから。
君の笑顔が、他の誰かのものになっても。
耐え切れると思ったから。
君のためになら、耐えてみせると。
そう決めたから。

「……寒い、な。」

ふぅっ、と息を吐く。
くしゃりと前髪をかき上げると、窓の外でカタンと音がした。

「来たか。」

隠密が捧げ持つ密書に目を通す。

ああ、やっと動いたか。

あちらこちらで動き回る小賢しい鼠。
狼の縄張りで好き勝手にしていられるのも今のうちだ。
私は今。
最高に機嫌が悪い。

「……楽しませてもらおうか。」

さて、行くか。

夕鈴。
君が笑っていられるように。
狼陛下の役目を果たすために。

りん、と。
どこかから聞こえる鈴の音。

「……ゆう、」

そんなはずは、ある訳がない。
きっとこれも、記憶の悪戯。
近づいてくる紅色の雪洞。
不夜城の門を、ゆっくりと潜る。
目指す妓館に部屋を取り、群がる女たちを適当にあしらい時を待つ。
狩りを始める前に酒を口に運ぶ。
同じ顔同じ衣装の女たちが纏わりついて来て煩わしいが、仕方がない。
ここは妓館。
これが彼女たちの仕事なんだ。
男に媚を売り酒を飲ませ、あわよくば――――

「え。」

りんっ、と鈴の音が鳴る。
この場に相応しからぬ香りが届く。
甘くて優しくて、清らかな。
僕の――――

理性が飛んで。
気付けば君を抱き上げていた。
寝台の上で僕を見上げる夕鈴。
露わな両肩と、艶やかな衣装。
違う。
君をこんなふうにするために手離したんじゃない。

「浩大は、周康蓮は、何をしている!」

誰が君をこんな所へ追いやった。
誰が、君をこんな目に……

「ちがっ、違うんですこの格好はっ、ここで働いてるわけじゃなくて…っ」

君は僕の、大切な大切な。

「ちがっ、違うんですこの格好はっ、ここで働いてるわけじゃなくて…っ」

唯一人の、

「大丈夫なんです、あの後も私はずっとちゃんと元気で困った事なんか何もなくてっ」

愛しいひと。

「私ちゃんと自分で決めて、貴方に」

夢じゃない、幻じゃない。
目の前にいるのは、本当の君。

「いつもいつも先回りをして心配して。私そこまで弱くなんかないのに。」

大丈夫、だったのか?
元気に暮らしていたのか?

「ほんと、ばか…っ。」

泣く、夕鈴。
あたたかな涙。
僕の首に回る君の腕。
ああ、なんて。
暖かいんだろう。

ガタンッと大きな音と悲鳴が上がり、我に返る。
ハッとした夕鈴の表情から、大体の事情を察する。
覚えていろ、浩大。
私の妃に何をさせた。

「あっ、だめっ、行っちゃダメ…っ。」

もう、決めた。
よく、わかった。
夕鈴。

「これはもう君が悪い!!」

愛してる。
檻の夜   
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C.O.M.M.E.N.T

No title

久々にあの頃のSSですね~~
最近は未来夫婦設定が多かったから・・・・
考えてみれば、まだこの辺りってコミックスになってないんだよね。
うんうん。。。。何だか遠い昔の気がする。
本誌、待ち遠しいね~~~
えと、今日はありがとでした。
夕方から、眩暈に襲われてて・・・やっとシャワーに入ったら少し治まった。
最近の疲れからなのだろうか???とおもいつつ。
体調が落ち着いてPC開けて訪問するのは、自分のとこよりもまずはお二方のブログなのよね~~
やっぱり読み専体質がなせる性質ですっっ。
懐かしい萌えをどうもありがとう~~です。
私も何か書こうかなぁ~~
旦那の帰宅がどうも深夜になるらしいから・・・・・

2015/05/14 (Thu) 21:12 | 瓔悠 #- | URL | 編集 | 返信

瓔悠さまへ

ぼうっとした頭で書きはじめたらこんなSSになりまして。
自分の脳がよく分からない。(笑)
眩暈大丈夫??
無理せず早めに休んで下さいな。
ご主人さまには、自力で。←酷

2015/05/14 (Thu) 21:36 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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