2015_05
13
(Wed)10:58

闇夜の嵐

こんにちは。
あさ、です。

ちょっと精神的にやられております。
暗いSSでごめんなさい。
お許しを。
無理して読まない方がいいです。
吐き出すためのSSです。
この先にあるのは面白くもなんともないSSです。
ご無理なさいませんよう。
【設定 未来夫婦】
《闇夜の嵐》


「すごい風だね。」
「少し怖いです。」

季節外れの野分。
広い後宮の殆どの部屋は使われておらず、住まう妃は夕鈴唯一人というこの状況。
嵐をついて彼女を消すにはちょうど良い夜だ。

「浩大が外を見まわってるし、老師も備えをしっかりしてくれてたから。大丈夫だよ。」
「はい、そうですよね。」

長椅子に並んで腰かけて、夕鈴の手をぎゅっと握る。
膝の上で握りしめられたその小さな手の冷たさに、少し驚いた。

「夕鈴、湯殿は使ったの?」
「あ、はい。夕刻に。」

嵐が来そうだから早めに済ませたんです、と言い訳をして。
夕鈴は強張った笑みを浮かべる。

―――――こんな夜は『お客』が多いんだよ…お妃ちゃん。

気まずげに頭を掻きながらそう忠告してくれたのは、浩大。

―――――知らぬでは済まされぬ立場になったのじゃからな。良いかお妃、何かあればすぐに逃げるのじゃ。

浩大も知らなかった抜け道を教えてくれたのは、老師。

本当の妃になって、まだひと月も経たない。
陛下は以前と変わらず私を守ろうとしてくれていて、それはとても嬉しいのだけれど。
老師の言う通り、知らないでは済まされない事も…ある。

「寒いの?夕鈴。」

こっちにおいで、と優しく誘う黎翔。
促されるまま、夕鈴は素直に夫の膝に乗る。
ふたりの距離がなくなり、吐息と鼓動が重なり合う。

「…へいか。」
「なあに?」

怖いの。
本当は、怖い。
この真っ暗な嵐の中、私を狙ってやって来る刺客たちが、怖い。
どんなに陛下が私を守ってくれても、毎日の膳には必ず毒が入り込み。
湯殿には毒蛇が泳ぎ、衣装には毒虫が入り込む。

それでも、そばにいたい。
あなたといられるのなら、どこでもいい。

その心に変わりはないし、これから先もずっと変わることはない。
見えない悪意も、あからさまな敵意も、これ見よがしな侮辱も。
そんな事より、もっとずっと、嫌なのは。

あなたと過ごすこの時間を、奪われる事。

「夕鈴、どうしたの?」

心配かけてごめんなさい、陛下。
そんな悲しい顔をさせたい訳じゃないの。

「眠くなるまでこうしているから、安心して?」

私を抱き締めてくれる陛下を。
いつまでも、失いたくないの。

あなたのそばにいる資格なんてひとつもない、私が。
ここにいられる、その理由は。

「愛してるよ、僕のお嫁さん。」
「わたしもです、陛下。」

貴方が私を必要としてくれている。
ただそれだけなの。

下町育ちの下級役人の娘。
母を早くに亡くした嫁き遅れの娘。
それが、汀夕鈴。
わたし。

「…陛下、陛下。」
「今日はずいぶん甘えてくれるんだね、嬉しいな。」

怖いの、陛下。
あなたのそばにいられなくなるのが、殺されるのが、怖い。






「今日はずいぶん甘えてくれるんだね、嬉しいな。」

くったりと僕に凭れ掛かる夕鈴に、お道化た口調でそう言った。
彼女の様子がおかしいのは、数日前から。
ここの所増えだした刺客について浩大が真面目な顔で報告に来た辺りからだった。

―――――このままじゃ、遠からず殺される。

隠密らしい冷徹な分析。
少なくとも数名の妃を後宮に入れるべきだと進言する、老師。
そうすれば夕鈴を狙う輩の手も緩むと、そう言う。

でも。
いやだ。
それだけは、いやだ。

愛してもいない女を抱く事など、慣れている。
多くの子を成すのが王族の務めだとも、知っている。
だが。

「夕鈴。」
「…陛下、もう少し、このまま…」

この腕の中にいる、大切な人。
彼女をおいて、他の女をなどと。
ちらりと想像するだけでも、胃液がこみ上げる。

ごめんね、夕鈴。
僕の我儘が、君を危険に晒すのかもしれない。
君に恐怖を与えるのかもしれない。

でも、それでも。

「夕鈴、」
「陛下、」

どうしても。

「そばにいて。」
「そばにいさせて。」

いつまでも、どこまでも、ずっと。
君だけが僕の花嫁。

明けない夜はなく、止まぬ嵐はない。
この暗く辛い夜もきっと明日への糧になる。
何の根拠もないけれど、そう信じて。
闇夜の嵐を耐える。
君とともに。

C.O.M.M.E.N.T

こんにちは

こんにちは。
あさ様のファンなので、いつも読ませていただきありがとうございます。
あさ様の思うように書いていいと思います。暗くても、明るくてもあさ様の書く二人が好きなので。
このお話は二人の現実ですし、本編の第二部はどんな試練が待っているのか今から心配してます。(気が早いですかね)二人で乗り越えてほしいですね。
また元気になったら書いて下さいね。ゆっくりお待ちしています。

2015/05/13 (Wed) 12:58 | よーまま #- | URL | 編集 | 返信

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2015/05/13 (Wed) 13:14 | # | | 編集 | 返信

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2015/05/13 (Wed) 14:55 | # | | 編集 | 返信

あさ様大丈夫ですか(*´・v・`)
SSを通して少しでも落ち着かれましたか?私的には、あさ様のどんなSSでも読めるのが嬉しいのですが…あまり無理はなさらなぃで下さいね( *''w'')b
何時でも陰ながら応援しておりますわ♡

2015/05/13 (Wed) 19:04 | いち #- | URL | 編集 | 返信

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2015/05/13 (Wed) 23:42 | # | | 編集 | 返信

よーまま様へ

ありがとうございます。
あちこちにお邪魔してコメントさせて頂いたりしながら休んでおります。
暗いお話で心苦しく思っておりましたのに、受け入れて頂けて嬉しいです。

2015/05/14 (Thu) 13:31 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

嵐が過ぎゆくのを息を潜めて待ってます。
禍福は糾える縄の如し、のはず。
過ぎろ時間。

2015/05/14 (Thu) 13:32 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

あい様へ

お仕事お疲れ様です。
こちらこそ、ありがとうございます。
嬉しいです。
少しずつでも元気出そうと思います。

2015/05/14 (Thu) 13:36 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

いち様へ

リアで荒れる訳には参りませんので、ついSSにぶつけてしまいました。
徐々にではありますが、頑張ろうと思います。
ありがとうございます。

2015/05/14 (Thu) 13:38 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

rejea様へ

お、お心がお広い…!
もうもう、こんな駄文を読んで頂いてごめんなさい。
ありがとうございます。

2015/05/14 (Thu) 13:40 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

はじめまして

はじめまして、むつと申します。
原作の大人買いを考えていた時に、こちらの作品に行きつきました。
とても楽しく拝読させていただいております。
只今、着々と原作を読み進めています。
また、こちらへの訪問を楽しみにしております。
乱文にて失礼させていただきます。

2015/06/05 (Fri) 03:28 | むつ #XTEfMpaM | URL | 編集 | 返信

むつ様へ

初めまして。
ご訪問有難うございます。
「あさ」と申します。
大人買い。なんていい響きでしょうか。
私も原作買い直したいです。子どもが読むとどうも痛んでしまって。
原作への愛をこめて二次小説を書いております。
この様なお話で宜しければ、どうぞまたお越し下さいませ!

2015/06/05 (Fri) 16:47 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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