2015_04
29
(Wed)08:23

願いの先2

スマホでブログ管理画面を操作するのはやめます。
昨日、せっかく頂いた公開コメントを消してしまいました(ノД`)・゜・。
ごめんなさい、いち様。
コメントが届くとメールにその内容とともに通知が来るので、しっかり拝読しておりますっ。
本当にごめんなさい。

昨日からUPしております、このSS。
オリキャラが好き勝手に動いてくれるので、私は面白いです。
迷惑ですね。(笑)
書き上げてからUPする形に変えるかもしれません。

さて。
今日から主人がGWです。
どばーっとお休みです。
つまり。
パソコンが占拠されます。
と言う訳で、しばらく更新停滞です。

それでは、また。
【設定 未来 オリキャラあり】

~オリキャラ一覧~
珀清翔(黎翔と夕鈴の長男)
珀明翔(同、次男。)
珀桜花(同、長女。几鍔と婚約中。)
李玉華(清翔の妃。李順の長女。)
李芙蓉(玉華の母。李順の妻。)
玉禮(白陽国の隣国・翠の前国王。夕鈴のストーカー。「奪還」および「護花」参照。)
玉環(翠国現国王。玉禮の甥。)
玉水蘭(玉環の一人娘。翠国王位継承者。)
風花(浩大の幼馴染。瑠霞姫について蒼玉国にいった隠密。)

「皇子の願い」及び「夕花」など。
その他の未来設定と食い違う事もあるかと思いますが、大目に見て下さい。




《願いの先 2》


明翔が翠に入るまで、あとひと月という頃。
夕鈴はいつものようにお茶の支度をして、四阿に浩大を呼んだ。

「降りていらっしゃいよ、浩大。いるんでしょう?」

今日の茶菓子は、桃饅頭。
浩大が好きな菓子を用意したのは、折り入って頼みがあるからだ。

「浩大ー?」

いつもならもう饅頭のひとつふたつは消えているはずなのに。
だが、浩大は現れない。

ふっ、と表情を曇らせた夕鈴から少し離れたところ。
四阿の外の木立を背にした見慣れぬ女官が、景色と同化するように佇んでいた。

「皇太后様、浩大は参りません。」
「……?」

人払い済みの四阿。
穏やかな風が抜けていき、夕鈴の髪がさらりと靡く。
どうしたのかと問いかける茶色の瞳に、その女官は申し訳なさげに目を伏せた。

「あのバカ、いえ。浩大は……少し遠くに参りました。」
「遠く、へ?」

はい、と短く答える女官。

「浩大に代わりまして、私が護衛を仰せつかっております。」
「そう、なの。」

少しの沈黙の後、夕鈴は彼女を四阿に招き入れた。

「せっかく作ったんですもの、一緒に頂きましょう?」
「ありがとうございます。」

少し恐縮しながらも素直に茶菓に手を伸ばす女官。

「美味しゅうございますね。」
「よかったわ、もう一つ召し上がれ。」

はい、と嬉しげに饅頭を口に運ぶ様子が浩大とよく似ていて、夕鈴から笑みが零れた。

「浩大もこのお饅頭が大好きなのよ。今日はお願いがあったのに、しばらく留守にするのなら仕方ないわね。」
「……。」

無言で茶杯を見つめる女官。
表情が読めぬその顔をじっと見つめながら、夕鈴は続けた。

「浩大は、『少し遠く』に行ったのよね?」
「はい。」
「私には、浩大みたいによく笑う息子がいるの。」
「……はい。」
「その子も、もうすぐ『少し遠く』に行ってしまうの。」

もう大人だし、自ら望んだことだから止めることなんてできないけど、と呟く夕鈴。

「だから、ちょっとの間でいいから、あの子のそばに付いててやって欲しい、って。」
「……。」
「お願いするつもりだったのだ、けれど。」
「ふふっ。」

どちらからともなく微笑み合う、瞳。
少ししてから、女官が口を開いた。

「私、風花と申します。どうぞ『風花』とお呼び下さい。いつでも御許に参ります。また、浩大とは常に連絡が取れるようにしてありますので、御用の際はいつでもお申し付けくださいませ。」
「ありがとう。」

いつの間にか立ち上がっていた風花から、女性らしい気配が消えて。
夕鈴が良く知る隠密と同じ空気が辺りを満たす。
とんっ、と軽く地を蹴って風花の姿が見えなくなって。
夕鈴は、新しい茶器を温め始めた。
ほどなくここに現れるだろう、夫の為に。


「……あの、バカ。」

ため息交じりの独り言が、樹上から聞こえる。
四阿を見渡し、周囲に目を配る風花。
浩大が守り続けてきた『花』を今度は、自分が。

「任されたから、安心して行ってくるといいわ。」

近づいてくる黎翔の足音を遠くに感じながら、少し悲しげに東を見つめる。

生きて会える。

願いを込めて。








翠国王女の婚儀は、華やかなものだった。
周囲を照らすような笑みを浮かべて夫となるべき者に手を差し伸べる王女。
恭しげにその手をとり、跪く花婿。
柔らかな笑みを浮かべ妻の手に口付けるその姿は、どこまでも優しげだ。
だが。
かつてこの王宮に踏み込んできた時の彼を知る数少ない者は、皆一様に青褪めていた。

白陽国東の砦と引き換えに妻と娘を奪われた珀黎翔。
前国王・玉禮が異常なまでに執着した白陽国正妃は、ほんの一時、彼の手に落ち。
その対価として、翠国は狼に王宮を占拠された。

―――――返してもらおうか。

酷薄な笑みを浮かべて一陣の風のように王宮を占拠した狼。
その露払いをするかのごとく兵士たちを薙ぎ倒していった皇子たち。
今、自国の王女の横に立ち穏やかな微笑を浮かべているこの男が、いかに恐ろしい人物なのか。
どれほどの命を屠ったのか。
思い出したくもない過去が、彼らの身を震わせる。

「おめでとうございます。」
「おめでとうございます、王女様。」

輝く様に美しい、水蘭。
見ているものを包み込むようなそれは、実は。
前国王に、よく似ている。

――――叔父上。

目の中に入れても痛くない愛娘の幸せそうな姿を見守る現国王・玉環の目に、複雑な色が浮かぶ。

なぜですか、叔父上。
本来ならば、この玉座にあるのは貴方だった。
聡明で秀麗で、民を思う賢王。
誰もが貴方を慕い、誇りに思っていたのに。
なぜ、分からなかったのですか。
分かって下さらなかったのですか。

「…お父様、どうかなさったの?」
「お前があんまり綺麗で見惚れていたんだよ。」
「またそんな戯言を仰って。」

まいったな、と明るく笑う、玉禮。
それにつられて水蘭も笑い、明翔も笑う。


翠国は、水の国。
王宮内に引かれた水路から続く水の庭が光を反射して。
豊かに噴き上がるそれが、虹を作る。

「美しいな。」
「また、そんな。」

目を細めて景色を、娘を、見やり。
笑いさざめく人々を見守る。

願わくば、この。
穏やかな光景が、永久に続くものとなるよう。

「…大丈夫ですよ、父上様。」
「明翔殿。」
「息子に『殿』は要りません。どうぞ『明翔』と。」
「ははっ、そうも参りません。」
「別に良いのですが…。」

困ったように小首を傾げる、愛しい娘の夫。
敵国の皇子。
誰かを思い起こさせるその仕草に、遠い離宮で魂を彷徨わせている叔父を思い胸が痛む。

こんな事は、思ってはいけないのだと分かっている。
でも、それでも。

「あの方さえ…」

いなければ。

「え?何か仰いましたか、父上様。」
「いや、なんでもありません。」

和やかに続く宴。
光り輝く水面の下、静かに、静かに。

群れからはぐれた若い狼を狙う影が、広がっていた。
隠し事   
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C.O.M.M.E.N.T

!?Σ∪◎ω◎∪ 明翔くんピンチになる予感!?
でも、浩大おにーちゃんが勝手についてってるから大丈夫ですよね?
それに明翔くんも強いし!
GW…。大人しく待てしますm(_ _)m

2015/04/29 (Wed) 09:20 | 桃月 #- | URL | 編集 | 返信

おはようごさいます(*^-^*)
あさ様、前コメの件は気にしなぃで下さいませ♪ちゃんとあさ様に届いてくれてるなら問題ありませんもの♪
明翔のピンチも浩大が影に居るなら表沙汰にもならなぃ気もしますが…ある意味、明翔がどぅ立ち回るかも気になるぅ(><@)
だってあの2人の血を引いてるんですものねーww
GW明けが楽しみデスo(^-^)o

2015/04/30 (Thu) 06:33 | いち #- | URL | 編集 | 返信

桃月さまへ

お返事遅くなりまして申し訳ありませんでした。
明翔の話はまだ少し続きます。
コメントありがとうございました!

2015/05/07 (Thu) 16:22 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

いち様へ

コメントの件、大変申し訳ありませんでした。
優しいお言葉、ありがとうございます。
しかもお返事が遅れてしまい、ごめんなさいっ。
ずいぶん間が空いてしまいましたが、続きを書こうと思います。
お付き合い頂けると嬉しいです。

2015/05/07 (Thu) 16:25 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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