2015_04
17
(Fri)14:08

無音6

脳内の陛下がおかしな方向に動きました。
こんなに長い話にするはずじゃなかったんです。

今回は拷問シーンがあります。

・・・・この注意書きで、陛下がどう動いたか分かる、と言う。(笑)

注意書き。
必要です。もちろん必要、とっても大事です。
私ごとですが、先日注意書きのない作品を拝読して作者様の意図せぬ方向に凹みまくってしまいました。
まだ引き摺ってます。
これはお互いに不幸です。
それから反省して、注意書きをきちんとつけようと頑張ってます。
だから。
注意書きをしても中身が分からない様にSSを書け、私。(笑)

ここの所元気がないのは、まだ引き摺ってるからです。
本誌が元気をくれるまで、暗い「あさ」にお付き合い頂ければ幸いです。
・・・なんて傍迷惑な書き手だ。(笑)
「もう辞めなさい、迷惑だから!」と自分に突っ込みながら書いているこの矛盾。
早く本誌が読みたいです。(切実)

では、ここから先は。

本誌ネタバレ、少し先の未来。
夕鈴が襲われて耳が聞こえなくなります。
今回は拷問シーンがありますので、苦手な方はご無理なさらず。

それでは。
どうぞ。
【設定 本誌ネタバレ 少しだけ未来 過去捏造 夕鈴が痛いです 少しですが拷問シーンあります】
《無音6》



「今日の分の書簡と急ぎの案件を全部持って来い、今すぐだ。」
「御意。」

いつも通りの表情で王宮へ向かう黎翔は、曲がり角で待ち構えていた李順に指示を出した。

「夕刻に―――」
「――――呼び出すのは、柳氾両大臣と、周宰相で宜しいですか?」

打てば響く側近。
響き過ぎて癪に障る事もあるが、今は素直にありがたかった。

「老師からの使いはいつ何時でも取り次げ。」
「かしこまりました。」

流れるように廊下を渡り終え、執務室へ。
待ち構えていた官吏が扉を開き、今日が動き出した。

「方淵、」
「はっ、資料はこちらに。」

わき目もふらず書簡を繰り筆を動かす黎翔。
いつもならばそっと姿をくらまそうとする水月も忙しく立ち働く。

普段ならばもうとっくに現れて場を和ませてくれる妃の姿が、今日はなく。
国王は鬼気迫る速度で政務をこなしている。
異常を察せぬ者など、いなかった。

「……。」

ふっ、と目を上げると主のいない椅子。
方淵、水月は言うに及ばず、官吏たち皆の視線がそこに集まる。
溜まっていく、用済みの資料。
彼女がいれば、それらはもうあるべき場所に運ばれて行くはずで。
彼女がいれば、その後姿を目で追う国王の穏やかな微笑みが見られるはずで。
彼女がいれば、彼女がいさえすれば。
この国は穏やかな日々を送ることができるのではないかとすら、思うのだ。

誰ともなしに漏れる溜め息と、重苦しい沈黙。
何が起こったのかは分からぬが彼女の無事を祈るそれが、彼らの動きを一つにし。

―――――お妃様。

無言で政務をこなす国王の前からは、溶け落ちるように書簡が消える。
そろそろ日が傾き始めた頃。
ようやく筆を置いた黎翔が一同を見回し、口を開く。

「ご苦労だった。」
「はっ。」

一度も休息を挟むことなく動き続けた彼らへの、労い。

「助かったぞ。」
「・・・・・・っ。」

黎翔の頬に浮かぶ笑みは、妃のそれとよく似ていて。
官吏達は言葉を失い俯き。
李順は胸が潰れるような痛みを覚える。

「今日は皆下がるがよい。」

そう言い置いて政務室を出た黎翔の足が向かう先は。
後宮と王宮の境目。
どこにも属さぬ、見えぬ場所。

牢。






ぴちゃん、と水滴が落ちる。
滴る水が罪人の身体を濡らし続け体温を奪う。
ガタガタと震える男の目の前で、紅い瞳が綺麗に笑った。

「無様だな。」
「く、そ・・・っ、舞姫腹が、偉そうにっ。」
「それだけ元気なら、少し遊んでもらおうか。」

若枝が折れるような湿った音がして、男の指が一本反り返った。

「うっ!」
「我慢強いな。楽しめそうだ。」

形の良い唇が薄く弧を描く。
二本目の指を摘み上げる黎翔。
男の口から怨嗟が噴き出した。

「舞姫腹の野犬がっ!」
「何とでも言え。」
「あのように下賤な、春をひさぐ妓女を妃に据えるなどっ!」
「・・・・・・。」
「国が、滅ぶっ!」

ぜえぜえと肩で息をする男。
笑みを消した黎翔を睨み付け、さらに叫ぶ。

「私を牢に繋ぐなど、あり得ないっ!妃を騙る穢れた女を屠った忠実な臣下をこのような目に遭わせるなど…愚王がっ!」

己の言葉に酔う、男。
次の瞬間。
勝ち誇ったように高揚したその顔が、凍り付いた。

「穢れた女、と言ったか。」

鼻先が触れるほど近くにある、狼の牙。
冷え切った牢の空気よりもさらに低い、気配。
吸い込んだ肺腑がぴきぴきと音を立てて凍り付く。
氷の塊を飲み込んだような喉がおかしな音を立てた。

「う、あ、」
「蛆虫にも劣るその身が、彼女を侮蔑するか。」

空気を求めて開く男の口から、紫色の舌が引き出される。
逃げ惑うそれに、黎翔の爪が食い込む。

「我がことは何とでも言うがいい。だが、彼女を貶めることだけは何があっても許せんな。」
「っ、っ、」

もがく、男。
血走り怯えきった目が助けを求めて彷徨うが、ここは、牢。
どこまでも薄暗い天井しか、景色はない。

「同じ事を、妃に言ったのか。」

男の頭がこくこくと頷く。
恐怖のあまり呼吸を忘れた肺からひいひいと不快な音がする。

「喉を潰しながら?」
「・・・・・・っ、」

びくっと男の目が開く。
舌を掴んでいた黎翔の指が、己の首に移動したのが分かったのか。
この次に来るものを予測した男の股から異臭が立ち上る。
ぴたり、と。
喉仏の上で止まる、狼の爪。

「うあ、ああ、あ、」
「この程度でこのザマか。大した『忠臣』だな。」

なあ?

この世のものとは思えぬほど、美しく。
狼が笑った。
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2015/04/17 (Fri) 14:33 | # | | 編集 | 返信

ひぃぃぃぃぃぃいいいいい((((( ゚Д゚;)))))
恐ろしい!なんて恐ろしいの!!
でも、夕鈴が受けたものを倍以上で返すのが陛下ですよね←
このあとの大臣への更なる仕打ちが楽しみだ(*゚▽゚)←

2015/04/17 (Fri) 19:06 | 桃月 #- | URL | 編集 | 返信

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2015/04/18 (Sat) 00:00 | # | | 編集 | 返信

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2015/04/18 (Sat) 12:01 | # | | 編集 | 返信

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2015/04/19 (Sun) 07:36 | # | | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

もうこれ以上は別窓リンクの上久々の鍵とかになりそうでしたので、自重しました。(笑)
エロで鍵ならまだしもグロで鍵は避けたい!←どんな基準だ
ついて来て下さってありがとうございます。

2015/04/20 (Mon) 10:39 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

桃月さまへ

す、すみません。
これでも十分の一に自制したんです。
さて、この後はどうなりますか。
行き当たりばったりです。(笑)

2015/04/20 (Mon) 10:42 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

るくるん様へ

コメントありがとうございます。
スルーだなんて致しませんっ。
とても嬉しかったです。
話は変わりますが、陛下の拷問シーン。
思ったよりも受け入れて頂けてですね。
皆様お好きなようで…。
安心しました。←

2015/04/20 (Mon) 10:49 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

rejea様へ

拷問シーン。
脳内の陛下を押し止めるのに苦労しました。(笑)
色気。
ありますかね、うちの陛下?!
あるなら嬉しい!

2015/04/20 (Mon) 10:52 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

yukino.s様へ

少し八つ当たり気味に書いてしまっておりまして、反省中なんです。
優しいコメント、ありがとうございます。
色々と書き散らしておりますが、お付き合い頂けると嬉しいです!

2015/04/20 (Mon) 10:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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