2015_03
20
(Fri)16:35

こんにちは。
度々でごめんなさい。
あさ、です。

何度か申し上げた事がございますが、私は短時間でSSを書きます。
家事の隙間時間や、習い事の送迎の合間。
うわーっと忙しい時間の息抜きに、ぶわっと書きます。

はい、言い訳です。
20分で書いたので、誤字脱字ご容赦ください。

内緒の恋人設定です。
【設定 恋人 臨時花嫁】
《桜》

「本当に綺麗ね。」
「ええ、これほどの桜は滅多にございませんわね、お妃様。」

それは、ある春の日の昼下がり。
見事な大樹の下に設えられた四阿で、夕鈴はいつものごとく紅珠とお茶を楽しんでいた。
今が盛りの、桜花。
こぼれんばかりに咲きほこるそれが少しだけ美味しそうに見えたのは、紅珠には秘密だ。
ふわふわの砂糖菓子。
夏祭りでよく見かけるその菓子は青慎の好物なのだ。

「お妃様、本日は琴を持参いたしましたの。」
「まあ、ぜひ聞かせて欲しいわ。」

さすが紅珠。
桜の楽しみ方まで庶民とは違うわ。

優雅な笑みを浮かべ、心中で苦笑する夕鈴。
紅珠の侍女が心得顔で琴の支度をし、紅珠は少し恥ずかしそうに頬を染め、微笑む。

「あまり上達はしていないのですけれど、お妃様に聴いて頂きたくて。」

ぽっ、と染まった頬。
大きな瞳が少し潤んで夕鈴を見つめる。

――――か、可愛いっ。

優雅な所作と可憐な美貌に見惚れる夕鈴。
桜色の指先が奏でる艶やかな音色。
舞い踊る春の陽射しと桜の花弁。

うっとりと目を閉じ、見事な演奏に酔いしれながら。
夕鈴は李順の言葉を胸の内で反芻していた。

知識、教養。
家柄、容姿。
どれをとっても不足のない、『正妃』の理想像。

いつか来る、その日。
その時、陛下の隣にいるのは。

私じゃ、ない。

「お妃様、どうなさいましたの?!」

紅珠の慌てた声で、我に返る。

「あ…なんでもないの。あまりに素晴らしい音色に、感動してしまって。」

侍女が差し出した手巾で目尻を拭い。
ボロボロと零れ落ちる涙を、抑え込む。

泣くな。
分かってるでしょう、汀夕鈴。

日ごと夜ごと囁かれる睦言も。
触れ合う肌も、温もりも。
私だけに見せるあの笑顔も。

全部、今だけの、幻。
あの人のそばにいられるのは、ほんの一時。
分かってる。

私は、桜なんだ。
忘れえぬ夢を残して潔く散る、桜。
ひと時の、春の花。

「探したぞ、夕鈴。」
「陛下っ。」

ぱっと立ち上がる紅珠。
少し青褪め震えながら、それでも優雅に辞儀をする。

「氾紅珠。我が花に何をした。」
「ち、違います陛下っ、紅珠は何も…っ!」

蒼白になる紅珠。
ごめんなさい、私のせいでっ。

「紅珠の演奏が素晴らしくて、感動の涙なんです、これはっ!」
「それにしては、泣き過ぎだと思うが。」
「っ。」

ああ、もう。
陛下には敵わない。
どうして、わかるの。

「…桜が、私みたいだって思ったんです。」
「…。」
「綺麗だけど、すぐに散るから。」

ふぅっ、と息を吐いた陛下が紅珠に声を投げる。

「ご苦労だった、氾紅珠。これからも我が妃のために尽くすように。」
「は、はいっ。」

びくっ、と肩を震わせた紅珠。
まだ青白い頬のままで、顔を上げる。

「今日はもう下がれ。花の憂いを取り除かねば、な。」
「あ、きゃぁっ!」

満開の桜が降らせる、花吹雪。
まだ涙の乾かぬ妃を愛しげに抱き上げた国王は。
妃の柔らかな頬に、これ見よがしに唇を寄せる。

輝く、紅珠の瞳。
今すぐにでも筆を取り出しそうなその様子に、黎翔はにやりとした。

「…狼陛下の妃は、一人だ。」

誰にともなく言い放ち、後宮へ。

さあ、これから。
腕の中で俯く愛しい兎に、分からせねばならない。

「ねえ、夕鈴。」
「は、い。」
「あの桜の樹。いつからあそこにあると思う?」
「は?」

あの桜が君ならば。
これほど嬉しい事はない。

ずっと、ずっと、いつまでも。
君はここにいてくれなくちゃ。

花が散るのは当たり前。
散って咲くから、綺麗なんだ。

繰り返していく日々が輝いているのも。
一日の始まりを君と迎え、一日の終わりを君と過ごすから。

ねえ、夕鈴。

――――そうだろう?
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  再会4

C.O.M.M.E.N.T

そんな短時間で書けるんですか!?
Σ ∪◎ω◎∪ スゴイ!
………して。
妃の憂いを取り除くというセリフの先は?
∪`-ω-∪ キラン←

2015/03/20 (Fri) 16:51 | 桃月 #- | URL | 編集 | 返信

(*ノдノ)テレッ

なんてなんてロマンチックな(*´ω`*)
私はまた桜の下で何か始まるのかと。
いやもう、陛下の女ったらし!
ドキドキしてしまった。
癒されます。
あさ様のたらしっぷりに。

2015/03/20 (Fri) 16:54 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

桃月さまへ

生来落ち着きのない人間なので、いつもこんな感じで書いてます。
もちろん、原稿だけは別でした。
本にするお話とブログ用のお話は勝手が違いましたから。
妃の憂い。
陛下にしっかりと取り除いて頂きましょう。
教え込まなくては。←なにをだ

2015/03/20 (Fri) 18:13 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

桜の下…。
桜花かっ。
まんまな名前をつけた自分が憎い。(笑)
たらされてくれてありがと。

2015/03/20 (Fri) 18:14 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

短時間でこんな素敵なSSを…!
すごいですよね。私も書いて見たいのに全然浮かばなくて。
通勤の行き帰りに今日はあさ様のお話が読めてとっても嬉しいです(^^)
宅急便昨日不在だったので今日の夜再配達依頼してます。プチで初夜は手に入れたので他の本を今日は夜中にずっと読もうと思います(*^_^*)

2015/03/20 (Fri) 18:49 | まるねこ #- | URL | 編集 | 返信

まるねこ様へ

ただせっかちなだけでして。(笑)
と言いますか。
再配達っ。
(゚Д゚;)
いいですか、読んだらすぐ忘れて下さいっ。
お願いしますよ?!

2015/03/20 (Fri) 19:50 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

お邪魔する度に新作が読めて幸せです(*^-^*)
今回のお話し、陛下はしっかり妃の憂さを晴らせたのでしょうか…ウフフちょと勝手な妄想が(笑)
それにしても、短時間でお話し書けちゃうなんて…あさ様の頭脳素敵過ぎます( ´艸`)♡
本誌の発売も待ち遠しい、今日この頃。発売されたら…妄想全開?ww

2015/03/20 (Fri) 21:32 | いち #- | URL | 編集 | 返信

いち様へ

そう仰って頂けると、駄文を書き散らした甲斐があります!
ありがとうございます。
陛下は何をしたんですかね…。(ノ∀\*)キャ
あ。
書くのが早いのは、パソコンだからです。あと、せっかちなのも。(笑)
スマホで書くと10倍時間かかります。

2015/03/20 (Fri) 22:43 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

No title

いい感じですね。
憂いている妃さまをやはり此処は狼がお持ちかえ…じゃない(^-^;慰めてだね♪
プチで買った物達が未だに本が読めない~早く読みたいのに~リアルのバカン(。´Д⊂)
でもちゃっかりblogは覗きに来ますわよ~♪
素敵なお話し有り難うございます♪

2015/03/20 (Fri) 23:52 | 宇佐美 #- | URL | 編集 | 返信

snow様へ

snow様、コメントありがとうございます。
「FC2ブログ」さんから私に届いたコメント通知メールには、snow様からのコメントがございましたが、「この世の春」内に残っておらず…。なぜだ、なぜなんだ!!
通知メールに記載されていたコメント本文はきちんと保存してございます。
さて。
短時間で書けるのは、私の入力速度のせいです。
妄想は常に渦巻いておりますので、出力する時間さえあれば書けるんですよ。(笑)
原稿は、こうも参りませんが。
プロポーズ(´艸`*)
嬉しくて何度も読み返しております。
ふふ。←あやしい

2015/03/21 (Sat) 08:47 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

宇佐美さまへ

お持ち帰り。(・∀・)
お持ち帰りです、はい。(・∀・)
プチの戦利品、早く読みたいですよね。
私は自室が欲しくてたまりません。
飾りたい。
飾りまくりたい。
素敵な切り絵を頂いたんです。
額に入れて飾りたいの。
すっごく素敵なの!!
毎日お忙しそうな、うささん。
どうかお体にだけはお気をつけて!

2015/03/21 (Sat) 08:49 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

明日は

書いてる時に不具合が生じてました←なぜなんだ?
すみません。
旦那様の優しい監視は解かれても、きちんと休み、食べて下さいね。
そして明日は存分に脳内を回転させて下さい(笑)←待ってます。
楽しみです。←本誌とあさ様。

2015/03/23 (Mon) 15:25 | snow #TBb5cWT2 | URL | 編集 | 返信

snow様へ

コメントありがとうございます。
不具合。
何故なんでしょうね??なぞです。
主人の監視は優しくありませんっ。
理詰めのぎちぎち鬼看守です。
早く本誌を買いに行きたい…。

2015/03/23 (Mon) 22:42 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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