2015_02
10
(Tue)12:56

本誌ネタバレSS「来春」と現パロSSのお知らせ

こんにちは。
あさ、です。

少し忙しくしておりまして更新の間が空いてしまいました。
原稿もしなくてはならないのですが、息抜きに更新とお知らせです。

先日「春の羽根」にUP致しましたお遊び現パロSS。
それの、李順さんとオリキャラが登場するR18バージョンを先ほどUP致しました。

お遊び現パロSS李順さんVer.はこちらから←クリックで「春の羽根」トップページに飛べます


こちらです。もし宜しければ!


そして、「この世の春」には本誌ネタバレSSを。
短いうえアールではありませんが、楽しく書きました。

本誌ネタバレですのでお気を付けくださいませ。
皆様のお暇つぶしになれば幸いです♪

あさ
【設定 本誌ネタバレ←もう少し言い方はないのか】
《来春》

嗚呼。

「……イライラする。」
「見ていればわかります。」

間髪を入れず突っ込んだ側近を狼陛下はじろりと睨み付けた。
ひっ、と小さな悲鳴が水月から上がる。
びくっ、と肩を震わせ方淵の動きが止まる。

「お気晴らしに克右殿と手合せでもなさったらいかがです?」
「いえ、私は今から韋良の尋問の手伝いをっ!」

李順の提案に後退る克右。
その様を見るや、黎翔の唇が薄く弧を描いた。

「そちらは浩大に任せておけ。貴様は私の相手だ、克右。」
「真剣は勘弁して下さい、陛下っ!」
「どうだかな。」

死ぬ。

克右は今すぐ意識を失えたらよいのにと心から願った。



―――――腹が立つ。

ギンッと刃を鳴らしながら、黎翔は歯噛みする。
あの夜、あの妓館で再び我が手に戻った夕鈴。
肩も露わな衣装。
男を誘うためのそれを纏った彼女の清純な艶。
あれは私だけのものだ。
私だけしか見てはいけないのだ。

それを。
アイツら。

「記憶から消去しろ。」
「何をですかっ?!」

風を巻いて撓る黎翔の剣。
明らかに殺気が感じられるそれに、克右から血の気が引く。
軍人の中では抜きんでた実力を持つ彼も、狼陛下には敵わない。
生まれてこの方命を狙われ続けてきた黎翔の前では克右も形無し。
経験値の差が如実に出ていた。

「ま、参ったっ!」
「聞こえん。」

訓練場の壁に追い詰められた克右が降参する。

「聞こえてるじゃないですかっ!」
「……。」

がんっと鈍い音がして。
克右は自分が死んだと思った。
だが、聞こえてきたのは。

「今日はこのくらいで許してやる。」

低く響く狼の唸り声。
耳元に突き立てられたその剣がビリビリとした振動を伝える。

「あの、ですね。『今日は』って、」
「明日も付き合えよ。」
「……御意。」

俺の命日は、明日か。

「なんとかしてくれよー、娘さん。」

克右は困り果てた顔で後宮の方向を見つめた。



「陛下のお成りです、浩大殿。」
「うっ。」

昼なお暗い、牢の中。
なかなか蓉州との関わりを認めようとしない韋良。
その尋問中だった浩大は、ぎくりと動きを止めた。

「まだ口を割らんのか。」
「っ。狼陛下、か。」

薄闇から浮き上がる様に現れた黎翔。
穏やかな口調なのに容赦なく押し寄せる威圧感。
浩大の尋問にも表情を変えなかった韋良が青褪めた。

「だから言ったじゃん。『俺が担当してるうちに白状した方が利口だ』って。」
「っ!」

狼陛下の傍らで『道具』が嗤う。
その道具に向け、狼が拳を振り下ろした。
ごつんっと壁に反響する鈍い音。

「陛下、痛ってえよ……。」
「うるさい。これで忘れたか?」

頭を摩りながら「?」を飛ばす浩大。
一瞬考え込んだ彼は。

「ああ、あれ?お妃ちゃんの艶姿?」
「どうやって逝きたい、浩大。」

隠密にあるまじき軽口を深く後悔する羽目になった。




嗚呼、イライラする。
荒々しく靴音を鳴らし王宮中を怯えさせる黎翔。

「陛下、いつまでそうしておられるおつもりですか。」
「……。」

書簡を抱えてその後に付き随う李順の呆れた様な溜め息に、黎翔の足が止まった。

「ねえ、李順。」

がっくりと肩を落とす黎翔。
小犬の気配が漂い始めた主の様子に、李順は慌てて人払いをした。

さっと周囲から人が下がり、静かになる。

「どうなさいました、陛下。」
「うん、あのさ。」

困り果てた小犬が李順を見つめた。

「人の記憶って、どうやったら消せるかな。」
「存じ上げません。」
「……だよね。」

しょぼくれた狼陛下。
こんな姿は誰にも見せられない。

――――――まったく、何とかして下さいよ夕鈴殿!

李順は天を仰ぎ、はたと気づく。

「そういえば、夕鈴殿にはもう会われたのですか?」
「……まだ。」
「何故ですか。もう閉じ込めてから何日も経ちますが。」
「だってさ。」

急に視線を外す黎翔。
見ればその頬が少し染まっている。

「どんな顔して夕鈴に会えばいいか分かんなくて。」

もじもじと恥じらう様子は本物の小犬の様だ。
中身は正真正銘の狼だが。

「つまり、会えば手を出してしまうと危ぶまれている訳ですね?」
「うっ。」

図星か。
ったく、手の焼ける。

ますます赤くなる黎翔の顔。
こんな主を見るのは本当に久しぶりで、李順は思わず微笑んでしまった。

「何故笑う。」

不機嫌な顔になる黎翔。

「いえ、嬉しいのですよ、陛下。」
「?」

納得いかない顔の黎翔に、深々と礼をして。
李順は主の背を押した。

「さ、行ってらっしゃいませ陛下。」
「え。」
「後宮で『お妃様』がお待ちです。」
「っ。」

暫し無言で佇んだ黎翔。
その瞳が徐々に明るくなった。

「ああ、そうだな。」
「はい。」

迷いを振り払うように、一歩。
後宮へと続く回廊に踏み出す黎翔。

「行ってらっしゃいませ、陛下。」

礼を取る李順。
足を止めることなく振り返った黎翔がその礼に応えるように朗らかに笑う。

「さて。これで明日からは少し穏やかになりますか、ね。」

もう見えなくなった主の姿を目で追いながら。

李順は春の風が身を包むのを感じていた。
呼応   
«  HOME  »
  雪の日

C.O.M.M.E.N.T

No title

あの牢に至るまでがこ~んな感じだと良いですねぇ。でも李順さんはどうかしら?意外と私の中では鬼畜なんですけど(笑)。

2015/02/10 (Tue) 15:54 | ますたぬ #XTEfMpaM | URL | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

李順さんは結構怒ってそうですよね。
「小娘が勝手な真似を!」くらい怒ってそう(笑)
なんとかうちの陛下を後宮に向かわせるためにさくっとうちの側近さんに背を押して貰いました(笑)
話が長くなりそうな時迷走した時は李順さんに頼むクセがあるんです、私。
あとは任せた!みたいに(´>∀<`)ゝ))エヘヘ
逡巡する陛下可愛いですよね。
今月の本誌。
何度書いても飽きません。

2015/02/10 (Tue) 16:23 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

きゃー、こっくー、壁ドンされた?
手じゃなくて剣だけど?(笑)
いや、みんなに対してほんとにさもありなん。って感じでニヤニヤしつつ読ませて頂きました。
今月の発売日が楽しみです。

2015/02/11 (Wed) 07:23 | くみ #17ClnxRY | URL | 編集 | 返信

くみ様へ

本当ですね。
壁ドンだ!!←おい
陛下が可愛くて可愛くてなりません。
ですので原稿をすすめずに本誌ネタバレを書いてしまいました。
これはもう今月号が悪い。(笑)

2015/02/11 (Wed) 17:20 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

No title

陛下カワイイっ♪
でも克右さんたちにはたまったもんじゃありませんね(^-^;)
克右さんの「死ぬ」・・・笑っちゃいました。
そして、さすが李順さん(´∀`*)
はぁ~☆楽しかったです~♪

2015/02/12 (Thu) 11:45 | しじみ #GvBRGAME | URL | 編集 | 返信

わぁ!こういう間隙を縫って、さらに膨らませてくれるお話、大好きです。
痒いところに手が届くだけじゃなく、アロママッサージまでしてくれているような感覚と言いますか。
わかりにくいですね笑
陛下が可愛くて、李順さんがかっこよくて、素敵です。
いつも素敵なお話をありがとうございます。

2015/02/12 (Thu) 18:00 | saara #- | URL | 編集 | 返信

しじみ様へ

お返事遅くなって申し訳ありませんっ( ;∀;)
コメントありがとうございます。
「死ぬ」に笑って頂けて嬉しいです。
八つ当たり陛下を書くのは楽しくて、ついやり過ぎました(笑)
陛下の背を押した李順さんのおかげで明日からは平穏な日々が始まることでしょう。
きっと。たぶん。おそらく(笑)

2015/02/15 (Sun) 12:56 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

saara様へ

おお!カッコいいコメントありがとうございます。
脳内妄想話が高尚なものに感じます!
ありがたや。
おまけに現在アロマにハマっておりますので、とっても褒めて頂いた気に勝手になっております(笑)
お返事が遅れて申し訳ありませんでした。←最初に謝れ

2015/02/15 (Sun) 12:59 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

高尚なのですよ!
優れた古典も胸震える小説も総ては脳内妄想なのですから!
アロマいいですよね。
私も風邪をひきやすいこの季節は殺菌力のある柑橘系の香りを噴霧したり、つわりでだるい時はラベンダーの精油を浴槽に垂らして自分を甘やかせたりしています。
いつも長いコメントですみません。
ご返事は不要ですので、あささまのペースで創作活動をお楽しみくださいね。
ご丁寧にお返事ありがとうございます(^^)/

2015/02/16 (Mon) 21:35 | saara #- | URL | 編集 | 返信

saara様へ

うおお、なるほど!
全ては脳内妄想!
・・・もっとまともな妄想が浮かぶ脳が欲しい(笑)
あ、つわりなのですね。
嬉しいけれど辛いですよね。
一番心地良く過ごせる状況を模索しながら乗り切って下さいね!
今日はこれからアロマの先生とお茶するんです。
またあれこれ試しちゃおう。
楽しみ。
お風呂で芳香浴、最高ですよね~。
お風呂用の精油買おうかな!

2015/02/17 (Tue) 09:29 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

またまたご謙遜を(*^ー^)ノ
アロマは習ってらっしゃるんですね。
習うという方法は考えたことがありませんでしたが、すごく楽しそうです!
体調もお気遣いくださってありがとうございます。
しんどかったり不安だったりもしますが、ようやく授かった我が子。大事に育みたいと思います。
あささまも良いお風呂オイルが見つかるといいですね!

2015/02/17 (Tue) 17:22 | saara #- | URL | 編集 | 返信

saara様へ

今日も寒いですね。
こんな日はコタツから出たくありません(笑)
アロマは、習うと言うほどでもないのですが、友人が講師でして。
無理やり覚えさせられております。スパルタなんです!
今回は嫌でも眠くなる精油をオーダー。
甘くて深い良いブレンドを作ってくれました。
なんだっけ、ローマンカモミールとマジョラムと、なにかです。←覚えろ

2015/02/18 (Wed) 16:50 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

素敵なご友人がいらっしゃるんですね!
いろんなブレンドを学べて楽しそうです。
炬燵の人をだめにする力には抗い難いものがありますよね…笑
今日もラッシュがしんどいですが、空2に元気をもらって出勤してまいります。

2015/02/19 (Thu) 08:23 | saara #- | URL | 編集 | 返信

saara様へ

ブレンドしまくりです。
楽しくて楽しくて、ひとつも覚えられません。←
ラッシュは辛いですね。
無理は禁物ですよ?!ほんとに!
コタツごと出勤なさって下さい!←ムリだ

2015/02/20 (Fri) 19:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

こちらリンクきれてます。さて、そろそろ息子が腹を空かせて帰って来るかな~( ̄∇ ̄)しばしの休憩♡まだまだ読みますよ~(笑)

2015/09/02 (Wed) 19:05 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

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