--_--
--
(--)--:--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2015_02
04
(Wed)00:16

招春

あさ、です。

さすがに長女受験中は書くこともできず全部を持っていかれておりました。
このまま書けなくなるのかと思っていたのはナイショです。
プチがあるのに!
とか焦っていたのも内緒。
でも、戻って来られました。
書けた。
ありがとうー!!←叫ぶな

昨夜遅くに一度UPしたこのSS。
手直ししましたので、再UPです。

もし宜しければ。

書き方を忘れてしまっていて、ぎこちないです。
ご容赦くださいませ。
【設定 未来夫婦】
《招春》


「お待ち下さい、陛下っ。」
「遅い。」

狼陛下は俊足だ。
一見無駄とも思える長さの回廊を早足で渡るその速度は驚嘆に値する。

「陛下が速すぎるんです!」
「急いでいるからな。」

李順とて決して鈍足なわけではない。
むしろその逆なのだが、両の腕に余るほどの書簡を抱えた彼のハンデは大きかった。
きゅっ、と角を曲がる黎翔。
その動きを追った瞬間、書簡のバランスが崩れた。

「あ。」
「大事な書簡だ。丁重に扱え。」

ばらばらと散る書簡。
四方八方に転がるそれらを目の端で追った黎翔は、朗らかに笑い。

「鈍ったな、李順。」
「ったく……一刻だけですからね。」
「ああ。」

李順は、苦笑交じりにため息をつく。

「まあ、初めての御子ですからね。」

季節は、冬。
師走。
身を切る様な風と力を失った陽射し。
だが、来るべき春を待つ生命の気配が確かに感じられる、そんな季節。

もうとっくに姿を消した主の痕跡を運ぶ風に身を委ね、李順は少しくすんだ青空を見上げた。





「よい、正妃と皇子を起こすな。」
「御意に。」

選りすぐられた侍女たちに守られた正妃の部屋。
固く閉ざされた蕾のようなそこに、黎翔の全てがあった。

「……夕鈴、入るよ。」

扉を覆う帳さえ、神聖に感じる。
邪気を払う桃のような色合いのそれにそっと触れ、払う。

「お帰りなさい、陛下。」

幾重にも重ねられた帳。
その向こうから聞こえる声に安堵した。

「変わりは、ない?」

ない事など知っている。
でも、それでも。問わずにいられない。

「清翔も私も、大丈夫ですよ。」

にっこりと笑う夕鈴。
『大丈夫』。
その一言で、何かがあったのだと分かる。
何事もなければ使わぬ言葉だから。

震える。
何をも恐れぬ狼陛下が、震えている。

「陛下?」
「……。」

足の底までが冷える感覚を味わいながら黎翔の手が伸ばされる。
まだふわふわの髪。
触れたか触れぬか分からぬほど薄い肌。
危うい、命。
すぐにでも奪えてしまうそれが、今。
冷酷非情の狼陛下を怯えさせる。

―――――失え、ない。

誰よりも愛しい君が僕に授けてくれた、得難いもの。
稀有に稀有を重ねて得た、僕の子。
僕の夕鈴が命を削って生んでくれた子。
夕鈴の命であり、僕の命である、僕の全て。

「お仕事大丈夫なんですか?」

すやすやと眠る清翔をじっと見つめる黎翔に寄り添う夕鈴。
揺らぐ紅眼とは対照的に強く燃える茶色の瞳。
そこにあるのは、確信ともいえる決意。

―――――必ず、守り抜く。

前を向く強さが夕鈴を支える。
失えないものを得、守り抜き前に進むことを誓った、それ。

『この子の為に。』

利己的なまでの思い。
だが、今。
黒づくめの来客が引きも切らぬこの場所に必要なのは怯えではなく、我儘なほどの覚悟なのだ。

「仕事、なんて。」
「だめですよ、黎翔様……『狼陛下』でしょう?」

ふわりと我が子を抱き上げ、夕鈴が笑う。
強く、強く。
来るべき春を待つ雪下の若芽の如き笑みが、黎翔を見つめる。
いつか必ず春が来る。
だから、今は。
為すべきを為さねばならない。
先を指し示す光が微笑みながら狼陛下を照らし、また、微笑ませる。

「……ねえ、夕鈴。」
「はい?」

季節は、冬。
頼りない陽射しはあっという間に夜を呼ぶ。
一刻と言った李順ではあるが、ここは後宮。
人払いがなされたこの部屋に近づくことができるのは、無粋な来客以外誰もいない。

「―――――もう、いい?」
「え、なにが?」

春を待つ季節。
あたため合い新たな芽を育む季節。

黎翔の瞳に浮かんでいた怯えは消え。
巡る季節のその先を見据え始める。

――――夕鈴。
君は僕に勇気をくれる。
失えないほど大切なもの。
その数はきっと、多い方がいい。

「いいよね?」
「え?」

次なる『春』は、もうそこまで来ていた。

C.O.M.M.E.N.T

色々お疲れさまでした。体調は大丈夫ですか?
私はお話が読めて幸せです(^-^)v。

2015/02/04 (Wed) 00:28 | ますたぬ #- | URL | 編集 | 返信

ますたぬ様へ

ありがとうございます。
もう何度でも言いますが、疲れたーーー!!!
あれですね、自分の事の数倍は疲れますね。
しばらく放心状態かと。
あ。
原稿っ!!!(゚Д゚;)

2015/02/04 (Wed) 08:48 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

おかえりなさいニッコリ

あささんの母親愛があふれる日記でした。受験、お疲れ様でした。子供が一番大変ですが、家族もまたそれですよね。娘さんに幸あれと思いました。夕鈴も強い母親でかっこよかったです!また、作品楽しみにしています!\(^o^)/

2015/02/04 (Wed) 08:54 | 萌葱 #- | URL | 編集 | 返信

お疲れさまでした!

あさ様もお嬢さまも、本当にお疲れさまでした!
これからもお忙しい毎日だと思いますが・・・
でも、どうか時間をみつけて、心身ともにゆっくりのんびり
なさってくださいね~ (´ー`)ノ マターリ
ステキな春の予感のお話、ありがとうございました!

2015/02/04 (Wed) 11:13 | しじみ #GvBRGAME | URL | 編集 | 返信

毎日楽しみに拝見しています。
受験、お疲れ様でした。
我が家は三年後ですが、大変さは周りから聞いて分かります。心身共に疲れましたよね。
これからも無理せずに頑張って下さい。応援しています。

2015/02/04 (Wed) 22:19 | みほ #- | URL | 編集 | 返信

お疲れ様でした!!

あさ様
こんばんは。
無事のご帰還、おめでとうございます。
本当におつかれさまでした。
陛下、あんまり、夕鈴に無茶してはダメですよ〜。
お母さんはいろいろ大変なんですから(笑・お父さんも大変でしょうが)
降雪がまたあるそうなので、お身体にはお気をつけ下さいませ。

2015/02/04 (Wed) 23:31 | ぶんた #uXAM18Kk | URL | 編集 | 返信

萌葱さまへ

おお、お久し振りです!
浩大が出てこなくてすいません。(笑)
ようやく受験疲れが抜けて参りました。
これからはプチに向けて頑張りますよー!
娘へのエール、ありがとうございます。
感謝申し上げます!

2015/02/05 (Thu) 16:37 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

しじみ様へ

ありがとうございます!
大分疲れもぬけ、のんびりとしております♪
春のお話を書いた途端に雪ですよ(笑)
雪の話も書いてみました。
もし宜しければお越し下さいませ♪

2015/02/05 (Thu) 16:39 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

みほ様へ

毎日お越し下さり光栄です!
ありがとうございます!
三年後に受験ですか。
長丁場の勝負になりますから、体力つけて頑張って下さいね。
あと、胃壁も鍛えた方がいいです。←どうやって
どうぞまたお越し下さいませ。

2015/02/05 (Thu) 16:42 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

ぶんた様へ

ただいま戻りました!
ありがとうございますー!
雪、いっぱい降ってます。
綺麗ですが、積もり過ぎるのもちょっと。(笑)
ぶんた様もお身体にはお気をつけてー!

2015/02/05 (Thu) 16:46 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。