2014_12
03
(Wed)18:41

正妃様の隠し事

脳内で李順さんに説教されている、あさ、です。
今日なんて李順さんだけじゃなくてオリキャラの芙蓉まで出てきました。
オリキャラに説教される私っていったい何。

正妃になりたての夕鈴が陛下に内緒でお小遣いを貯める話です。
もし宜しければ。
【設定 未来夫婦】
《正妃様の隠し事》


「ふふっ。これで…」
灯りを落とした正妃の部屋。
帳の奥の寝台で夕鈴は小さな袋の中をのぞき込んでいた。
ちゃりんと小気味よい音を立てる大切なお金。
陛下には内緒で老師のお手伝いをして貯めた秘密のお金。
満足げに微笑んで、夕鈴はいつもの隠し場所にその袋をしまい込んだ。





――――夕鈴が隠し事をしている。
ぶすっとした顔のまま黎翔は筆を走らせた。
「陛下、怖いです。」
軽くため息をつく李順。
「そうか?」
「ええ、官吏達が怯えて仕事になりません。」
ふん、と昏く笑う黎翔。
そんな事はどうでもいいとばかりに次の書簡に手を伸ばす。
「李順、お前知ってるのか。」
「知りません。」
「・・・。」
取り付く島もない、側近。
「正妃様に直接伺えば宜しいではないですか。」
「聞いてもいいかなぁ。夕鈴、呆れないかな。」
「まぁ、いかに夫婦とはいえ…行動を監視されているようであまりいい気持はしないでしょうね。」
「うっ。」
「さ、陛下。早くこの山を切り崩してください。私が帰れません。」
「えー…まだこんなにあるの?」
「口より手を動かしてください。」
「…ちっ。」
「なにか?」
「なんでもない。」
不貞腐れた黎翔が後宮に戻ったのは、もう夜も更けた頃だった。

「ゆーりん、寝てる?」
返事はない。
いつも通りの寝室。
柔らかな甘い香りのする、夕鈴の部屋。
「遅くなってごめんね。」
恥ずかしがりの正妃の為に作らせた帳。
薄い紗を幾重にも重ねたそれをそうっと払う。
だが。
「あれ、夕鈴っ?!」
安らかに眠っているはずの妻の姿はそこにはなく。
くくっと微かな笑い声が天井裏から聞こえる。
じろりと隠密を睨み付けようとした瞬間。
「へーいーかっ!」
「っ!」
ふわりと春の香りがして。
何か心地よいものが着せ掛けられた。
「っ、夕鈴、これ。」
「びっくりしましたか?冬の夜着です!」
振り返るとそこには満足げな顔で笑う愛らしい妻。
天井裏の気配が少し遠のく。
気を利かせたか、浩大。
「陛下がこちらにいらっしゃる時に寒くない様に、って思って。」
「…これ、夕鈴が?」
「はい。素人の手作りなのでちょっと着心地は悪いかもしれませんけど。」
少し恥ずかしそうに頬を染める夕鈴。
肩にかけられた夜着から温もりが伝う。
「これでもう寒くないですか?陛下。」
俯いて問う夕鈴。
「うん、温かいよ。」
「じゃ、じゃあ…もっと寒くなっても―――」
「―――これを着て、夕鈴のところに来てもいい?」
こくりと頷き首まで真っ赤になる夕鈴。
紅い瞳に優しい笑みが浮かぶ。
ねえ、夕鈴。
こんなに可愛らしい隠し事なら大歓迎だ。
「きゃぁっ!なんで脱ぐんですかっ。」
「夕鈴にこの夜着を着せてもらおうと思って!」
「じゃあ、私まで脱がせなくても…っ!」
「んー?ほら、大人しくしないとシワになっちゃうよ。」
「だから私じゃなく…って、んっ…んんっ…」

翌朝。
真新しい夜着をなかなか脱ごうとしない黎翔に李順が雷を落としたのは、また別のお話。
奇跡   
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