2014_11
18
(Tue)18:58

花追い4

度々のUPですいません。
時間の都合上細切れ更新がデフォルトな「この世の春」です。

「花追い」最終話です。
ぼやけた終わり方なのはいつもの事(笑)
一発書きにつき、おいおい修正いたします。
どうかお見逃しください!
【設定 臨時花嫁】
《花追い4》


「・・・。」
柄にもなく汗が滲む。
息が上がる。
震える指先に自嘲を浮かべ、袷に指をかけた。
悪いな、陛下。
にっと笑い力を入れると簡単に崩れる襟元。
橙色の灯火の中にぼうっと浮かび上がる双丘。
深い寝息に合わせて上下する膨らみの艶やかさが浩大を魅了する。
「吸い付くみたいだ。」
掌を素肌に合わせる。
ぴたりと張り付く様な肌に身体が熱くなる。
美味そうだ。
『んっ・・・へいかっ、ああっ、やぁっ。』
天井裏で聞いた夕鈴の嬌声を思い出す。
熱が篭る。
視界が赤くなり、理性が霞む。
ぐっと襟を開き肌蹴させ。
薫る様な陰影をくゆらせる白い谷間に吸い寄せられる。
『あっ、あっ、いっちゃうっ、へいかぁっ!』
ぎしぎしと軋む寝台の音。
絹が擦れる音。
感に耐えた喘ぎ声。
『あああーーーっ!』
絶頂に飛ぶ時の鳴き声。
押し寄せる記憶の波と眼下にある白い肌が艶めかしく浩大を誘った。
俺が忘れさせてやる。
もう泣かせたりしない。
夕鈴を掻き抱き首筋に唇を這わせ。
立ち上る花の香りに溺れる。
見かけよりも量感のある膨らみを手で持ち上げて、隠された蕾を暴く。
薄桃色のそれが顔を覗かせようとした時。
「やぁ・・・へい、」
「っ!」
声がして。眠ったままの夕鈴が泣いていることに浩大はようやく気付いた。
「俺じゃ、だめか・・・」
口惜しさに黒い感情が沸き上がる。
「どれ程辛くても、陛下がいいのか。」
白い肌に問いかける。
「こんなに苦しんでるのにっ、陛下がいいのかっ!」
滅多に感情をあらわにしない隠密が、吠え。
「浩大、その手を離せ。」
冷たい声と同時に刃がその首筋にあてられた。
「・・・なんだよ。」
ちりっと感じる熱い痛みを無視して振り返る。
「夕鈴から離れろと言っている。」
「やだね。」
刃を首に押し当てる様にして浩大は黎翔を睨み上げた。
「俺の女になる方が、あんたの女でいるよりはマシだ。」
「な、」
つうっと血が伝い浩大の衣装を汚す。
だがそれには構わず浩大の腕は夕鈴を離さない。
「なあ、どう思ったよ陛下。」
「どう?」
「俺の腕の中にいるお妃ちゃんを見て、どう思ったかって聞いてんだよ。」
凄味のある微笑を浮かべる隠密。
命を諦めた者の持つ気迫が黎翔を圧倒した。
「同じ思いをお妃ちゃんに強いる気か?!」
「・・・あ、」
ぴくりと刃が震えた。

「そう、か。」
漸く目が覚めた。
何の約束もせず、ただ彼女に愛を注ぐことだけしか考えていなかった。
独りよがりな愛情。
いつかは他の女を抱くだろう恋人を愛し続ける残酷さに気付けなかった。
「分かったか、陛下。」
「・・・。」
カランと音がして剣が床に落ちる。
涙を流し続けて眠る夕鈴の頬にそっと触れる黎翔の手。
苦渋に満ちた横顔に、浩大は深く息を吐いた。
「花を泣かすなよ、陛下。」
黎翔の腕に花を預け、寝台から降り。
「俺に花守を命じたのはあんただろ。」
床に落ちた白刃を拾い上げる。
「やめろ浩大っ!」
「遅い。」
ぱたぱたと散る血の雫。
深々と突き刺さったそれは浩大の手を貫いていた。
「筋外したから護衛に支障はねえ。痛みだけだ。ちょうどいい罰だろ。」
「こ、」
「薬を飲ませたから、明日の朝までは目覚めないよ。何も覚えてない。」
「うだ、」
「また明日な、陛下。」
「待てっ!」
「やだね。」
物音も立てずに隠密は姿を消し。
僅かに残る血の匂いと白く浮かび上がる夕鈴の肌を黎翔はいつまでも見つめていた。

翌朝。
「おはよう、夕鈴。」
「・・・え、陛下?」
ぐっすり寝た気がして身体を起こすと、視界いっぱいに陛下のお顔。
あれ、私確か浩大と。
「話があるんだ、夕鈴。」
真剣な瞳に吸い込まれた。
「僕たちの未来について。これから行く先について。」
「っ。」
陛下の瞳が強く光る。
優しく強く、私を見つめる。
「未来永劫僕の唯一になってくれ。妃は君しか要らない。」
これは、夢?
なら、醒めないで。
哀しい夢はもう見たくないの。
「夕鈴・・・返事は?」
「・・・嬉しい、です。私以外を愛さないで。」
刹那。
息も止まるほど抱き締められて、これが夢じゃないんだって分かった私は。
「うん、誓う。」
「・・・っ、陛下っ。」
始めて陛下の胸の中で涙を流した。
問答   
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C.O.M.M.E.N.T

No title

感動した。゚+.( °∀°)゚+.゚
陛下、いい勉強になりましたね。
大事にするんですよ。
花守、最高!!!

2014/11/18 (Tue) 19:21 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

うわぁん(ToT)

切ない…幸せな陛下と夕鈴より、不憫な隠密目線になるのはなぜ…(T_T)病んでいるらしい…。
役員会で荒んだ心にしみましたm(_ _)mありがとうございます(^-^)

2014/11/18 (Tue) 21:22 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

No title

あさ様
久しぶりにゆっくり出来たお休みで、ストーカーの如くコメントしてすみません。
いや、大ちゃんが素敵過ぎる。夕鈴さえ、大ちゃんが好きになれれば、大ちゃんとの方が幸せになれるかも思ってしまった。
でもちゃんと陛下は迎えに来てくれたし、夕鈴の辛さが分かったから大切にしてくれるよね。
それにしても、後宮制度って酷いですよね。
そりゃ皆おかしくなりますよ。
陛下で取りやめにしてね。

2014/11/19 (Wed) 13:27 | 狛キチ #- | URL | 編集 | 返信

狛キチさまへ

いつも丁寧なコメント、嬉しく拝読しております。
ありがとうございますっ。
「花追い」の浩大は「春の庭」の浩大と通じるものがありまして。
お気に召して頂ければ幸いです。
後宮制度って、考えれば考えるほど残酷ですよね。
お妃様たちにとっても皇子皇女にとっても。
血筋が道具として使われるとこうなるのかと暗澹とします。
後宮廃止してね、陛下。

2014/11/20 (Thu) 16:04 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

浩大~

新しい浩大、ごちそうさまでした\(^o^)/

2014/11/21 (Fri) 00:29 | 萌葱 #- | URL | 編集 | 返信

Re

萌葱さまへ
たまにはこんな浩大もありかと思いまして(笑)
食あたり起こしませんでしたか?

2014/11/24 (Mon) 10:17 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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