2014_11
17
(Mon)21:43

花追い2

お腹が空きました。
米櫃の米が底をつき、空腹です。
子ども達と主人の分はあるんですよ。
明日の朝食分まで確保してあります。
でも、私の分がない(笑)
しまった・・・。
やはり今日、無理をしてでもお米を買いに行くべきでした。
ダイエットだと思おう、うん。
お買い物をさぼった自業自得です。

浩大と夕鈴の逃避行です←
もし宜しければ!
【設定 臨時花嫁】
《花追い2》

「ぐっ、げほっ、浩大っ!」

目と鼻を刺激する煙。
粘膜に直に作用する毒。
大抵の毒薬には耐性がある黎翔を足止めするには仕方なかった。

「袖で顔、覆っとけ。」
「げほっ、ごほっ!」
「目、瞑れよ。」

風を巻きながら走る浩大。
知り尽くした後宮奥庭を縫うように抜けていく。
担ぎ上げられた夕鈴は身を任せるしかなかった。
ごとん、と鈍い音。
ぎいっ、と軋む音。

「よっこいしょ、っと。」

何か重いものが落ちる音がして、湿った匂いが鼻についた。
恐る恐る目を開ける。
暗い。
ぐるりと見渡せば、岩の壁。
頼りなげな灯りがひとつだけの室内に、徐々に目が慣れた。

「目と鼻、大丈夫か?」

懐から水の入った筒を取り出す浩大。

「ちょっとじっとしてろよ。」
「うん。」

夕鈴を上向かせ、真っ赤になった目を水で洗う。
ぽたぽたと垂れる水滴が涙のように見え、浩大の奥歯が軋んだ。
もう泣かせたくない。

「ねえ、浩大。ここはどこ?」
「・・・裏部屋。」
「うら、」
「そう、『裏部屋』。陛下も知らない後宮の地下だ。とりあえずは安心だから、心配すんなよ。」
「・・・うん。ありがとう。」

渡された布で目を拭い、夕鈴は少しだけ笑う。
その笑顔は寂しそうだが、哀しみはない。
少し考えてから、夕鈴はゆっくりと口を開いた。

「私ね、我慢できなかったの。」
「我慢、か。」

小さく頷き、膝の上で手を握りしめる。
ぽつりと涙が落ちる。

「どれほど陛下が私を大切にして下さっても、陛下は私だけのものじゃないの。」
「ああ。王サマだからな。」

ずっと堪えてきた思い。
どろどろとした嫉妬だらけの自分。
この薄暗い部屋でなら、言える気がした。

「陛下に抱かれてる間中、考えるの。いつか来る正妃様やお妃様たちをこんな風に抱くんだって。」

甘い声で囁いて、優しく触れて。
愛を注ぎ込むように、陛下はお妃様たちを抱く。
王様だから。

「いやなの。耐えられない。」
「・・・ああ。」

私だけを見て欲しい。
私だけに触れて欲しい。
我儘だってわかってる。
でも、私は。

「そんな風にしか、陛下を愛せない。」

本物のお妃様じゃないから。
バイトだから。
偽物だから。

「だから、逃げたかった。」
「そっか。」

じりっと灯火の芯が焼ける音がした。

「苦しかったの。」
「・・・・ああ、知ってる。」

浩大の手がゆっくりと動き、夕鈴の頬に触れた。
ぴくっと顔を上げた夕鈴の頬が見かけより大きな掌に包まれる。
少し驚いたような茶色の瞳。
そこに映る自分の笑顔を確認して、浩大はゆっくりと手を離した。

「少し休まなきゃな。お妃ちゃん、ここの所あんまり寝てないだろ?」

灯りを手に取り奥へ向かう。
一人用の寝台が浮かび上がる。
浩大は苦笑いをして掛け布を払い、埃を飛ばした。

「ここんとこずっと使ってなかったから、ちょっと埃っぽくてごめんな。」
「ううん、ありがと・・・って、浩大は寝なくていいの?」
「俺はちょっとやることあるから。それにさ、一緒に寝ていいの?」
「っ!」

薄明りでも分かるほど真っ赤になる夕鈴。

「冗談だよ!」
「もうっ!」

からかわれたと悟った夕鈴は頬を膨らませて寝台に潜り込んだ。

「おやすみっ。」
「おやすみ、お妃ちゃん。ゆっくり寝ろよ。」
「ん、ありがとう。」

横になったままふわっと笑う夕鈴の眼がゆっくりと閉じる。
浩大は随分長い間その寝顔を見つめていた。
花追い3   
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C.O.M.M.E.N.T

あささま
我が家のストック米を走ってお届けしたい(T^T)
素敵な母様ですね(*^^*)
続き楽しみにしてます♪

2014/11/17 (Mon) 23:20 | らぁ #- | URL | 編集 | 返信

No title

米を買え!米を食え!
最後までもたないよ?
ああ、素敵。
庭にいるみたい。
さあさあ、庭みたいに貪ってごらん?
妄想が突き走るのは、私だけ?

2014/11/18 (Tue) 02:24 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

我が家は30キロ単位の玄米で買う地域なので…家に米が無い…想像出来ません(゚o゚;
都会って違うのね~。お届けしたい(・_・、)
そして、力を付けて頂いて原稿と続きを書いて頂くの(^-^)

2014/11/18 (Tue) 09:27 | 行 #jxT87rSU | URL | 編集 | 返信

らぁ様へ

お米が届きましたー!(*^▽^*)
ネットスーパーさん、ありがとうっ。
白いごはん万歳。
早速おにぎりを握ってしまいました(笑)
続き。
お気に召しますかどうか。
かなり不安です。

2014/11/18 (Tue) 16:58 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

買った、食べたっ。
原稿は体力勝負なのだと悟った本日でした。
庭みたいでしょ。
いいかな、庭みたいに書いても。
二重に鍵かけるか(笑)

2014/11/18 (Tue) 17:00 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

Re

行さまへ
30キロ玄米。素敵です。
お米がたくさんあれば豊かな気分になれますよねっ。
羨ましいなぁ。
我が家には置場すらありません。しくしく。
お米があれば原稿もSSも!
進、進む、はずなのに。
あれ?(笑)

2014/11/18 (Tue) 17:03 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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