2014_11
02
(Sun)10:01

密会 最終話

こんにちは。
あさ、です。
…保護者会に飽きたのでスマホで書いてみました。
視点がころころ変わって読み辛いかと思われます。

最近落ち込む事ばかりで元気がありません。
どうか見逃して下さいね?
【設定 臨時花嫁】
《密会 最終話》

「宜しいですか夕鈴殿。」
「は、い。」

すべての窓を締め切り、厳重に帳を巡らした。
よほどの声量でなくば、常人の耳に室内の会話は聞き取れないはずだ。

こほん、と咳払いをして。

「全く貴女という方はっ!」
「ご、ごめんなさいっ!」

李順の説教が始まる。




「少しでも妃らしく見えるよう、奮発した品だったんですよ…ご存知でしょう?」

靴音を響かせ李順さんが部屋を歩き回る。
カツン、と音が止まり、すぐ後ろから深いため息が聞こえる。

「青磁の壷、とまではいかないまでも…」
「ひいっ!」

頭のすぐ後ろで囁く鬼上司。
振り返らなくても分かる。
すごく、すごくすごく!
怒ってるっ!

全身から冷や汗が噴き出す。
後宮で過ごした日々が走馬灯のように頭をよぎる。
毒に刺客、顔から火が出る夫婦演技。
胸が苦しくなるほど膨らんだ陛下への想い。
せっかく借金が終わったのに。
また逆戻り。

冷や汗だけではなく、涙まで出てきた。

「い、いそいで着替えたんです。」
「その割に着付けは完璧ですね。」

にっこり笑った上司が私を覗きこむ。
綺麗に弧を描いた唇。
怒りを宿した目が怖い。

「…震えているのですか。」
「い、いいえっ。」

指先が真っ白になるほど握りしめられた妃の衣装に気づいた李順の眉がピクリと動く。

「わ、わたし」
「ああ、そんなにしては衣が傷んでしまいますね。」
「っ⁈」

シワだらけになった膝のあたり。
手のひらに滲んだ汗がシミでも作っていたら、借金上乗せだ。
慌てて立ち上がった夕鈴は、裾を踏みつけ、つんのめった。

「きゃっ!」
「夕鈴殿っ!」

ガタンッ
大きな音がして。
バタンッ
誰かが扉が開く音がし。

夕日を背に立つ国王から黒いなにかが立ち上るのを側近は確かに見、青褪めた。





赤い夕日に照らされた二人の姿。
締め切られた部屋の中、縺れ合いながら床に横たわるうら若い男女。
少し捲れた衣装から覗く真っ白な脹脛が煽情的で。

『邪魔をしたな、李順。』
そう言わねば、と分かってはいた黎翔ではあったが。

「…覚悟しろ、李順。」

口から出たのは、真逆の言葉。
心より遥かに正直な身体は滑らかに動いて、素直な左手が剣を抜く。

「誤解です、陛下っ!」

事態を悟った李順の叫びが虚しく響き渡った。





「もうっ。陛下ったらなんてことするんですか!」
「ごめんね、僕びっくりしちゃって。」

茶杯を口に運ぶ黎翔は、にこにこ笑顔。

「わっ、私は偽物ですけど、これでも一応陛下の花嫁なんですよ?李順さんと密会だなんて酷い誤解です。」

真っ赤になって言い募る夕鈴を眺める黎翔は、そっと左手を握りしめる。

ねえ、夕鈴。
やっぱり僕は君にいて欲しいんだ。
ずっと、だなんて無理は言わないから。
あと少し。
この手の中にある小さな耳飾りを手離してもいいと思えるまで。

この広い後宮で幸せな秘め事の日々を。
ささやかな密会を、君と。

手離さなければいけなくなる、その日まで。

「ごめんね、夕鈴。」
「なにか仰いましたか、陛下?」

それから、数年。
消えた耳飾りの行方は、杳としてしれない。
四季   
«  HOME  »
  密会4

C.O.M.M.E.N.T

No title

(>o<;))((;>o<) ゴホゴホ
いつの間に最終話まで。。。(lll __ __)バタッ
陛下の内緒がか( ゚д゚)わ( *゚д゚)ゆ(*´д`*)す
何年も何年も内緒にして、おばあちゃんに
なった頃、ごめんね?と耳につけてあげるに
違いないっ!
おばあちゃんまで生きれるか不安な私・・・。

2014/11/02 (Sun) 19:26 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

彼岸にいかないようにちまちま書いてたら、終わってしまった。
なんで?
考えてないからだ!←
耳飾りはね、陛下の宝箱行きなの。
他にも色々入ってるよ?
夜着とか。
で、何かの拍子にバレるの。
返さないでね?
と、そっと宝箱に耳飾りをしまう夕鈴。
墓場まで持っていくがいい、陛下。
…我々は本を墓場まで。

2014/11/03 (Mon) 21:04 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

No title

あさ様
陛下の誤解プリが愛しくて。
でも陛下ってば何に対しても執着無いのに夕鈴に対してだけ偏執的な所が良いわあ。
楽しかったです。

2014/11/06 (Thu) 23:37 | 狛キチ #- | URL | 編集 | 返信

狛キチ様へ

楽しんで頂けて嬉しいです。
弱った状態で書いたSSでしたので、色々おかしくてごめんなさい。
いや、元気でもおかしいんですけどね!
ふはは。

2014/11/07 (Fri) 14:50 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

No title

ここまで読んで、2回目なのを思い出す私ってどうなの。いやあ、また楽しませてもらいました。

2014/11/19 (Wed) 09:50 | 狛キチ #- | URL | 編集 | 返信

狛キチさまへ

私なんて自分の書いたSSすっかり忘れてますよ?
毎度新鮮な気持ちで羞恥に悶えております。
二度も読んで下さって嬉しいです。
ほんとにありがとうございます!

2014/11/20 (Thu) 15:53 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック