2014_10
23
(Thu)21:23

千代紙

こんばんは。
あさ、です。

疲れたらSSを書く。
何の病でしょうかね(笑)

クオリティという点におきましては、「この世の春」がどうしようもないことはよーく分かっております。
更新頻度で命を繋ぐこのブログ。

ああ、またなんか書いてるなー、と、生温かく見守って下さいませ。


「千代紙」をイメージして書いたSSです。
【設定 未来夫婦】
《千代紙》


それはそれは綺麗な模様。
組み合わされた同じ大きさの様々な色合いの布。
纏まりがあるのに其々の模様が際立って。
まるで絵巻物眺めているような気持になった。

「うわぁー・・・・・すごい。」
「夕鈴、気に入った?」

黎翔はぽかんと口を開ける夕鈴を嬉しそうに見つめた。






「遥か東の国から献上された着物です。」

ご機嫌な李順さん。
これは高い、絶対いい値が付く。
そう確信した上司の漲る商魂に、私も否やはない。

「いけますよ、李順さんっ!!」
「ええ、逸品ですね。」

ぐっ、と拳を握りしめ互いの確信を深め。

「まずはこの着物を模した衣装を作らせて・・・」
「そうですね、人目を集める女性がこれを着てくれれば、いい宣伝になります。」
「じゃあ、紅珠に是非!」
「いいアイデアですね、夕鈴殿!」

あれこれと意見を交し合う上司と部下。

「あ、あのさー・・・・」
「陛下はお茶でも召し上がってらして下さい。」

狼狽え気味の黎翔に側近の厳しい言葉が飛ぶ。

「この着物は女性向けの商品です。陛下のご意見は参考になりません。」
「うっ。」

ぎくっ、と半歩後退った黎翔。
不自然なその様子に夕鈴が反応した。

「あ、あの・・・陛下?」
「僕の事はいいから、夕鈴は国庫充実のための販売戦略に集中して?!」

慌てる黎翔。
詰め寄る夕鈴。

「陛下の意見が『参考にならない』理由を是非ともお伺いしたいのですけれど。」
「う・・・あ、」

嫣然と微笑む妻に、黎翔の退路が断たれた。

「あー・・・・えっと。」
「はい。」

ふわっと微笑む夕鈴。
誰もを蕩かすその微笑の奥にあるのは、存外に鋭い兎の牙。

「りじゅーん。」
「なんですか、私は忙しいんですよ?!」

シャカシャカと白陽国仕様のラフを描く李順の手は止まらない。

「誰もが嫌みなく真似できる、誰が来ても似合う衣装・・・・」

ぶつぶつと呟く李順の表情は余人の干渉を許さぬものがあり。

「おーい、たすけてー、りじゅーん。」
「ご夫婦の問題はご自身で解決して下さい。私は今忙しいんです。」

国王の嘆願はにべもなく切り捨てられる。

「・・・さ、陛下。李順さんはお忙しいんです。」
「は、はい。」

にっこりと笑いながら、正妃は国王の手を握る。
あらん限りの力を込めて。

「痛いよ、夕鈴。」
「先日届いた『素晴らしい』衣装・・・あれは陛下からの物でしたのね?」
「あー・・・」

ぴったりと身体に沿った桃色の衣装。
深いスリットが遺憾なく女性の曲線美を強調するそれ。

『せっかく貰ったんだから着て見せて?』

小犬の笑顔に騙されたけれど、あれは、きっと。

『すごい・・・付け根まで濡れて・・・気持ちいい?』
『ほら、乳首が尖っているの、見える?布越しでもわかるよ、夕鈴。』

陛下の趣味に、違いない。

「では、私はこの辺で。正妃様、明日は朝一でミーティングをお願い致します。紅珠殿だけではなく明玉殿にもご協力願いたいので手配しておきますから・・・・今宵は、ご無理なされませんよう。」
「ええ、今宵は早く休みますわ。ありがとうございます。」

ぱたん。
軽やかな音を立てて閉じる扉を名残惜しげに見やった黎翔は。

「さ、陛下。お覚悟は宜しくて?」
「は、はい。」

素直に手を差し出し、足を差し出す。

「絶対解いちゃダメですからね?」
「はい。」

きゅっ、と鋭い音を立てて絹の帯が国王の手足を飾る。

「・・・私が何をしても、へーかは絶対解いちゃ、だめ。」
「・・・・うん。」

すでに張りつめている自身に憐憫の情を抱きながら。

「ちょっとだけ、も、だめ?」
「だめですっ。」

黎翔は策を巡らせる。

白陽国の女性に多大な影響を与える『狼陛下の唯一の妃』が纏う衣装。
その身体を包む衣装をデザインする楽しみを他に譲る気は毛頭ない。
例えその相手が李順であろうとも。

・・・手足を解かなければいいんだよね。うん。

「きゃぁっ!!」
「夕鈴、甘い・・・」
「ぁっ!」

耳に挿し込まれる舌に。
衣装を掻き分け秘所を探る指に。

何より。

「夕鈴・・・もっと見せて?君の綺麗なとこ。」

芯を疼かせる甘い言葉に。

正妃は陥落する。

「明日のミーティングには李順がいれば事足りる。」
「ん、わたし、もっ、」
「じゃ、やめる?」
「やっ!抜いちゃ、やぁっ・・・・」
「仰せのままに。」
「あーーーーっ!」

狼陛下・珀黎翔。
彼の治世が始まりようやく落ち着きを見せ始めた白陽国の経済。
その成長を後押しした正妃の存在は侮れない。

「素敵よね、この模様!」
「ほんと、反物よりも綺麗!」

女性の消費意欲の高揚。

李順は会心の笑みを漏らした。

C.O.M.M.E.N.T

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