2014_10
21
(Tue)09:58

花の色は2

こんにちは。

同じようなSSを以前書いた気がして、UPするかどうか迷いました。
どのSSだったか・・・思い出せません(笑)

そんな訳で、読み飽きた感満載な展開です。
皆様のお心の広さを信じてUPしますね?ね?ね?←
【設定 臨時花嫁】
《花の色は2》


「どうなさるおつもりですかっ。」

自室に戻ると李順が待っていた。
厳しい表情。
ぴしりと放ったその言葉から、怒りのほどが伺える。

どうもこうも、ない。
狼陛下が后を迎えた。それだけだ。

「陛下。」

重ねて問われ、仕方なく口を開いた。

「夕鈴を、后に迎える。」

ふぅっと息を吐く李順。
憐れみの色を多分に含んだ眼が私を見つめる。

「ですが、」
「分かっている。まだ夕鈴にそのつもりはない。」

だが、もうこれ以上は。
彼女無しでは日を過ごせぬ。

「時間はいくらかかってもいい。皆に夕鈴を認めさせる。」
「時をかけるより先に夕鈴殿のお命が消えてしまいますよ?」

容赦なく突きつけられる現実。
それは、以前自分が彼女を手放した理由。

「柳や氾が彼女をそのままにしておくとは思えません。」
「・・・。」

護り切れるだろうか。
夕鈴を。

「警護兵を増員せよ。遠国にいる隠密を呼び戻せ。」
「御意に。」

いいや。
守り抜いて見せる。

「后と私は同室にする。」
「・・・それでは、」
「構わん。」

国王と正妃。
同室にすれば標的が絞られ狙われやすくなる反面、護りを固めることができる。
何処にいても危ういなら、この手の内で夕鈴を護りたい。

「夕鈴を正妃に据え、皆を説得する。彼女以外を娶る気はない。これは決定事項だ、李順。」

最終的には従うのだろう?
お前は私の側近なのだから。

ややあって。
足元に視線を落とし沈思していた李順は、ゆっくりと膝をつき。

「我が王の、仰せのままに。」

清々しく笑った。







「夕鈴、入っていい?」

宵闇が濃くなった頃、人払いを済ませて陛下が戻ってきた。
入るも入らないも、

「もちろんです、ここは陛下のお部屋ですよ?」
「うん、そうなんだけどなんか緊張しちゃって。」

私に拒否権なんてないもの。
拒む気も、ないけれど。

初めて会う侍女さん達が着せてくれた衣装。
羽根のように軽い絹が幾重にもかさねられて、長く引いた裾が優雅な線を描く。
いつもおろしていた髪は緩く纏め上げられ豪華な簪が挿してある。
少し濃いお化粧と鮮やかな紅。
見かけだけは立派な『お妃様』な、私。

「―――――っ、」

陛下の眼が、まんまるになって驚いているのが分かる。
一瞬心臓が凍ったけど、大丈夫。
私にこんな姿は似合わない。
知ってる。

でも優しい貴方は嘘をついた。

「夕鈴、綺麗だ。」
「ありがとうございます。」

笑う。
優雅に、淑やかに、笑う。

「・・・ほんとだよ?」

完璧なお妃スマイルだと思ったのに、陛下が変な顔をした。

「私、何か失敗しましたか?お妃演技は久し振りですし、どこかおかしかったら言って下さいね?」
「っ、夕鈴。」

少し怖い顔の陛下。
綺麗な紅い瞳は前髪に隠れてしまって、その表情を窺い知ることはできない。

どうしよう、何がいけなかったのかしら。

戸惑いが恐怖に変わり、身体が震えだす。
陛下のそばに居たくて、ここに来たのに。
陛下が望む限りお傍にいるって決めたのに。

「ごめんなさい、陛下。私、何か失敗」
「ああ、大変な間違いを犯している。」
「っ!」

ああ、やっぱり。
気付かないうちに何かとんでもない事を仕出かしていたんだわ、きっと。
下っ端妃には過ぎる衣装に豪奢な湯殿。
おまけに陛下の部屋で寛いで。
前とは全然違う扱いだから、おかしいとは思ってた。

「夕鈴、ごめんね。」

俯いたままの陛下の声は、すごく静かで、低くて。
申し訳なさそうで。

やっぱり私は要らなかったんだ。
そう思った。

会いたかったの。
貴方に。
もう一度だけ、抱き締めて欲しかったの。
声が聞きたかった。
優しくて寂しい貴方がひとりぼっちにならないよう、そばに居たかった。

陛下が望む『幸せの真似事』。
偽物の私が貴方にあげられる『幸せ』は仮初の物でしかない。
私の役目は『偽妃』。
貴方が夢から覚めるまでのひと時の春。

陛下は賢い方だから、きっともう悟られたんだ。
ご自分に私は必要ないって。
もう、私は、要らな――――

「汀夕鈴。」
「は、はいっ!」

いつの間にか目の前に陛下がいて、驚く。

「私の正妃に、君を迎える。」
「・・・え?それって、」
「バイトじゃないよ、君を正真正銘本物の正妃に迎える。」

この上なく綺麗に微笑んだ陛下の瞳に、私は囚われた。
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C.O.M.M.E.N.T

No title

切ない(´Д⊂ヽこのすれ違い。
胸がきゅんきゅんします。
陛下っ!護れるかなんて、迷うなっ!
護るんだよ!狼陛下でしょ?
そんな弱っちい子に育てた覚えはありません!
育てられた覚えも無かろうが。

2014/10/21 (Tue) 15:52 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

No title

キュンキュンしてます。
やっぱりあさ様のお話好きなのよ。
ドキドキしてくるし。
陛下、もっとしっかりしないと!!
夕鈴が不安におもっているでしょうも・・・・。
はぁ~~~二人が穏やかで幸せに暮らせることを切に願います。
ところで、私がわかるかな・・・・・。
(HNが違うし・・)

2014/10/21 (Tue) 16:44 | 悠亜 #- | URL | 編集 | 返信

あぁ、もう続きが読みたくてウズウズしております、せっかちでごめんなさい。
陛下、よく決心してくれました。
ちゃんと護ってくださいませね、
あっ
その前にキチンと伝えないと!
さて、萌え萌えしつつ晩御飯の支度して来ます。
ありがとうございましたっ(*^_^*)

2014/10/21 (Tue) 17:45 | くみ #17ClnxRY | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

育てられた覚え・・・ないか、ないよね。←
なんか陛下が情けない。
次で挽回しなさい、陛下。
お母さんは許しませんよ?←

2014/10/21 (Tue) 21:07 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

悠亜さまへ

分かりますよ?(笑)
キュンキュンした?
よかった。
自分では萌えないっ(ノД`)・゜・。
糖分下さい。

2014/10/21 (Tue) 21:09 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

くみ様へ

続き、もう少しお待ち下さいね(^^)/
萌えて頂けて嬉しいです。
少し迷いながらのUPでしたもので。
陛下頑張って動いてね。
私が眠くなる前にお話し動かして?←

2014/10/21 (Tue) 21:12 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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