2014_10
13
(Mon)07:44

一炊の夢1

おはようございます。
あさ、です。

オリキャラでまくりなお話をふと書きたくなりました。
隣国・翠が出て参ります。
ご存知の方もおいでかと存じますが、夕鈴をつけ回す王様・玉禮さんも出ます。

今までに書いたこのオリキャラ話とは一線を画したものです。
全く別の話ですが、玉禮さんが夕鈴のストーカーな設定だけは変わりません(笑)

ややこしい注意書きで申し訳ありません。
つまり、何が言いたいのかと言うと。

オリキャラ注意!
好き勝手に書いてます、注意!

という事で・・・(笑)


それでは、何でも来いな方、どうぞお進み下さいませ。

ちょっと陛下が痛いです。
【設定 未来夫婦 お子様なし】
《一炊の夢1》


「だめっ、陛下、やめてぇーーーーっ!」

黎翔は、ふわりと微笑んで。
首に当てた剣を引いた。






鮮血が舞う。

「い、やぁぁぁぁぁーーーーっ!!!」

喉が裂けんばかりに、夕鈴が叫ぶ。

「・・・本当に、自害するとはな。」

呆れた様な声がして。
彼女に刃を突きつけたままの刺客が薄く笑った。

「い、いや・・・へいか、陛下っ!」
「暴れるな、正妃。」
「離してっ!!」

手足を拘束された夕鈴は成す術もなく男に担がれ、運ばれる。

「・・・主がお待ちだ。」
「離してっ、行かせてぇっ、陛下ーーーーっ!!」
「黙れ。」
「っ!」

鼻と口に嫌な臭いのする布が当てられて。
意識が霞み音が遠くなる。
気持ちが、悪い。

「へい、」

最後に見たのは、愛しい夫の動かぬ姿。
柔らかな草の上に倒れたままの黎翔。
緑の草と赤い血の対比が異様で。
その中心にうつ伏せる黎翔はピクリとも動かず、ただその黒髪だけが風に嬲られ揺れていた。


どうして、なんで?
沈んだ意識の奥底で夕鈴は自問し続けた。

背に矢を受けた浩大が四阿の屋根から落ちてきて。
厳しい表情の陛下が私を長椅子の下に押し込んで。
今までに見た事もないほどの数の刺客が、陛下を取り囲んで。
その数が半分ほどに減ったころ、私が捕まった。

「・・・正妃様をお貸し頂きたい。」

刺客の一人が進み出て、陛下に跪拝し。
覆面を外して額を地に擦り付ける。

「十日でお返し申し上げます。ほんの一時、ほんの少しの間だけ、正妃様をわが君に―――」
「断る。」

刹那。
私を目がけてまっしぐらに走ってきた陛下に。

「それ以上動かれるな。白陽国、国王陛下・・・珀黎翔。」

冷たい声が投げられて。
私の首に鋭利な刃物が当てられた。

「正妃様をお貸し願えぬなら、この場でお命を頂く。」
「なっ!」

足を止めた陛下。

「主は重篤な病の床にある。ご存知の事と。」
「・・・っ、だからと言って、夕鈴を、」
「日ごと夜ごと、正妃様の御名を呼ばれ魘される主を、不憫とは思って下さいませんか。」
「私を誰だと思っている。『冷酷非情の狼陛下』だぞ?」
「・・・承知して、おります。だからこそ、こんな形で罷り越したのですよ。」

にやりと笑った翠国・宰相は。

「御自害を、狼陛下。さすれば正妃様はご無事ですよ。」

私の首筋当てた刃に力を込め。

「っ、夕鈴っ!」
「陛下、逃げてっ!!」

夥しい数の刺客に囲まれたまま。
陛下は舞うような仕草で剣を持ち上げて。

「い、や、陛下、だめ」

首に当て。

「案ずるな、夕鈴。すぐに助けに行く・・・・待っていて。」
「だめっ、陛下、やめてぇーーーーっ!」

剣を・・・引いて。


陛下。
いっぱい、血が出てた。
お願い、無事でいて。

死なないで、陛下。



「・・・・夕鈴様。そろそろ、お目覚めを。」

甘ったるい香りがして、意識が浮上する。

「う・・・ここ、は。」
「我が翠国の離宮にございます。主がお待ちです、こちらへ。」
「っ、分かりました。」

ふざけんじゃないわよ、アンタ達。
私の陛下に、何してくれたのよ。

「参ります。」
「はっ。」

すっ、と立ち上がり優美に裾をはらい歩き出した白陽国・正妃。
威厳に満ちたその姿に、居並ぶ女官達は自然と首を垂れ。
先導する翠国宰相の腰が屈む。

――――――陛下、待ってて。

すぐに帰るから。

「こちらです。」
「そう。」

ひときわ大きな扉がゆっくりと開かれる。
その奥にいるのは、豪奢な寝台で横たわる翠国・国王。

「おお・・・夕鈴様、これは夢か・・・?」

病み疲れた顔の中心で炯炯と光る眼。
狂気を宿したそれに、夕鈴は一瞬息を飲んだが。

「・・・ええ、夢ですわ、国王陛下。」

しゃんっ、と簪を鳴らしながら首を傾げて。
穏やかに微笑んでみせた。
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C.O.M.M.E.N.T

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