2014_10
06
(Mon)11:35

笑う空

こんにちは。
あさ、です。

本日は台風により小学校休校です。
のんびりと過ごす子ども達と私。
それを羨ましそうに横目で見ながら主人は出勤しました(笑)
いつもありがとう、だんなさん!

午前中いっぱいかけて書いたのに、不思議な出来のSSです。
やはり三人と遊びながら書いたのが敗因ですね。

もし宜しければ!
【設定 未来夫婦 お子様なし】
《笑う空》


夜。
「っ!」
ガタガタと揺れる窓。
あちこちから聞こえる物の倒れる音。
回廊に置かれた大きな飾り壺が倒れて割れる音がして。
「きゃーーっ!」
侍女さんたちの悲鳴が上がる。
「大丈夫ですよ、皆さん。」
長い袖に隠した指先をぎゅっと握りしめて。
「こちらでお茶を頂きましょう?大丈夫、明日には空も元通りになります。」
少し青褪めた侍女さん達を奥へと誘う。

陛下。
私、少しは正妃らしくなりましたよね。

滑らかに輝く指輪にそっと触れた。



それは、二か月と少し前。
雨季には必ず氾濫する大河の治水の為、黎翔は西へ赴いた。
ふたりが正式な夫婦になって初めての別離。
いくら黎翔がごねようと、国王と正妃が揃って王宮を空けるなど早々許されるものではなかった。

厳寒を通り越した気を纏う黎翔を窘めたのは、夕鈴。
「たった三ヶ月離れ離れになるだけですよ、陛下。大丈夫、私は必ずここで陛下を待ってますから。」
全ての不安を押し隠して自分を見送る正妃に、国王は指輪を贈った。



「・・・陛下。」
黎翔の瞳と同じ色。
赤水晶のそれは、今の夕鈴にとって唯一の心の支え。

雨季を終え夏が過ぎ。
治水工事の真っただ中の、この野分。
王都から遥か西にいる黎翔が今どうなっているのか知る術はなく。
浩大の元へも報せは届いていないらしい。

「・・・どのお茶にしましょうか。お茶菓子は、」
「正妃様、私共が!」

胸の内を隠し、微笑み。
夕鈴は侍女たちの不安を除くべく、優雅に振る舞う。
華やぎ始めた正妃の居間に。

「正妃様、少し宜しいでしょうか。」

書簡を抱えた周宰相が現れた。



「・・・こちらは工部への指示書にございます。」
「はい。」

周の説明を聞き漏らすまいと、姿勢を正し書簡に向かう夕鈴。
その凛とした姿に侍女たちは誇らしげに頬を染めた。

「先日の算定ではもう少し・・・」
「はい、それが・・・」

背筋を伸ばして政務にあたる正妃の邪魔をせぬように、そうっと置かれた茶。
「あ、ありがとうございま・・・・っ!」
茶杯を置いたその手は、礼を言う正妃の言葉を掬い取る様に動いて。
「っ!」
「少し痩せたか。」
頬に触れる。
「っ、陛下っ!」
がたんっ、と椅子を倒して立ち上がる夕鈴の手が黎翔に伸ばされ。
その手に輝く赤水晶と同じ色が優しく笑んで夕鈴を迎えた。

「へいか・・・・・っ!」
「遅くなってごめんね。」

国王の腕の中。
ふるふると首を振る正妃の姿を遠目に見ながら。
侍女たちは部屋の灯りを落とし、静かに退出する。

明日はきっと、澄み切った空。
眩い笑顔。

「・・・残りは明日に。」

周はぼそりと呟いて、夜空を見上げた。

C.O.M.M.E.N.T

No title

宰相ー!気を利かすなんて素晴らしい!
夕鈴安心しただろうな。
いいな。←
心温まるお話をありがとうございました。

2014/10/06 (Mon) 13:28 | 羽梨 #- | URL | 編集 | 返信

羽梨さまへ

気を利かせたうえ、李順さんを抑え込んでくれたはず。
王宮の天気予報士さんは予報を自力で当てるのです。(むりやり)
夕鈴は今夜ぬくぬくです。
陛下もぬくぬく。
いいな←

2014/10/06 (Mon) 14:59 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

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