2014_08
29
(Fri)17:01

ほんの少しの願い事

こんばんは。
あさ、です。

皆様から頂いた拍手数の合計が、50,000を超えました。
誠に有難く、深く御礼申し上げます。

応援して頂いたり、楽しんで下さったり。
皆様のお気持ちのこもった、50,000です。
大切にしたいと思います。
今は下げている拍手コメント欄も、過去に頂いたものは全て保管してあります。
正確にはFC2様に保管して頂いているのですが(笑)

これからも楽しんで書きますので、皆様にも楽しんで頂ければ幸いに存じます。



注意書きを致します。
こちらのSSは、私の妄想の産物です。
原作とはかけ離れていることをご了承の上、お進み下さいませ。






【設定 臨時花嫁 里帰り中の汀家台所にて】
《ほんの少しの願い事》


「夕鈴、今日の夕食はなあに?」

わくわくしている陛下。

「栗ご飯ですよ。お好きですか?」
「うんっ、栗は好きだよ。焼き栗はよく食べたなあ。」
「焼き栗ですか?」

王様なのに随分と庶民的な食べ方だな、と思って。
思わず聞き返した。

「辺境軍にいる時は野戦が多かったから、この季節はよく焼いてた。弾けるのを待つのが結構楽しくてねー。」
「あ・・・そうなんですか。」

野戦。
王都で平穏に暮らしてきた私には耳慣れない言葉に、ほんの一瞬だけ息を飲んだ。

「ああ、ごめんね。驚かせちゃった?気にしないでね。」
「い、いいえ。私こそ・・・・」

うまく言葉が継げず、手元の作業に集中するふりをして。
考えた。

幼い時分に北に行かされ。
小さい時から実の兄に命を狙われ続け。
辺境軍に配されて。
国王になって。
内乱を鎮めて。

私の知らない世界を生きてきた陛下。
刺客や毒なんていう物騒な事も、陛下にとっては日常で。
陛下にとって『当たり前』な世界と、私にとって『当たり前』な世界は、全然違う。

今みたいなふとした会話からそれを思い知らされる度。
少し胸が疼く。

「夕鈴、上手だねー・・・」

手の中の栗。
その皮をひたすらに剥いていく私の手元を不思議そうに見る陛下。

「すごいね、夕鈴は。」

きらきら瞳を輝かせて剥き終わった栗の山に見入る陛下は、すごく楽しそうで。

「僕のお嫁さんは何でもできるんだね!」
「え、えっと・・・・バイトですけどね?!」

戦場の鬼神、なんて呼ばれる面影はどこにもない。
でも、この人は_____狼陛下。

忘れちゃダメよ、汀夕鈴。
この穏やかな時間は、一時の夢なんだから。

「夕餉までまだ少し時間がかかりますから、居間でお茶でも召し上がってらして下さい。」
「えー、やだ。夕鈴のそばがいいな。」

私は。
借金を抱えた臨時花嫁で。
偽妃で、囮役なんだから。

「ねえ、まだ?まだ?」
「ふふ、あと少しですよー。」

ちゃんと、分かってる。

でも。
でも・・・・陛下。

「味見、して頂けますか?」
「うんっ!」

もしも、もしも・・・・叶うなら。

「おいしいっ!」
「よかった~!」

ほんの少しだけでもいいんです。
私と過ごした時を、忘れないで。

私には、陛下の考えていることなんてひとつも分からないけど。

もしも、叶うなら。

忘れないで。

お願い。






☆ちなみに。お分かりかもしれませんが、我が家の夕餉は栗ご飯です。レトルトですが!(笑)

C.O.M.M.E.N.T

No Title

あさ様
夕鈴何て可愛いの、夕鈴が陛下に貰う幸せより、夕鈴が陛下にあげる幸せの方が多いのに其れに気付かず、与えられる幸せに感謝出来る夕鈴がだいすきです。
あさ様のお話はこんな切ない、可愛いお話も、酷い陛下も大好きです。
朝から幸せな気分になりました。
有難うございます。

2014/08/30 (Sat) 09:10 | 狛キチ #- | URL | 編集 | 返信

狛キチ様へ

最近では珍しい夕鈴視点のSSでございました。
本誌で悶えてしまったので、現実逃避と申しましょうか、つい(笑)
どのSSにも温かなコメント、嬉しいです。
本当に。
ありがとうございます。

2014/08/30 (Sat) 18:43 | あさ #- | URL | 編集 | 返信

コメントの投稿

非公開コメント

トラックバック